よく耳にするMaaS(マース)って何? 電車やバス、最適な交通利用をアプリで便利に…福井では新幹線の開業合わせサービス提供へ

JR西日本が提供している観光型マースアプリ「tabiwa by WESTER(タビワ バイ ウェスター)」の画面

 Q 「MaaS(マース)」という言葉をよく耳にするようになったけれど、何のことなの?

 A 「サービスとしての移動」を意味する「モビリティ・アズ・ア・サービス(Mobility as a Service)」の頭文字を取った略称だよ。自家用車以外で、公共交通など最適な移動手段の組み合わせの検索、予約、決済を一括で利用できるサービスの名前として使われているよ。

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 Q 生活が便利になりそうだね。どこの国で始まったの?

 A フィンランドの首都ヘルシンキが先進地として知られているよ。自家用車率が高く交通渋滞などが問題となっていたが、アプリケーションの提供が2016年から始まり、公共交通の利用者が増えるなどの成果が出ているんだ。

 Q 日本でも広がっているの?

 A 国土交通省は、観光や医療などのサービスとも連携することで、利便性向上や地域の課題解決につながる手段として注目しているんだ。19~22年度には全国の73事業が実証実験として選ばれているよ。

 Q 福井ではいつ導入されるんだろう。

 A 既にJR西日本が旅行者向けにアプリを提供しているよ。移動手段の検索、予約、決済のほか、観光情報の検索や宿泊予約などにも対応していて、22年11月からは福井県を含む北陸エリアにもサービスエリアを広げている。福井県の嶺北地域では同年5月、自治体や交通事業者でつくる「ふくいマース協議会」が発足し、24年春の北陸新幹線県内開業に合わせたサービス提供を目指しているよ。

 Q どんなことができるようになるのかな。

 A 複数の交通手段を使った経路検索や決済のほかに、観光客向けに施設入館料や飲食店のクーポンなどとセットになった企画切符の検討を進めている。将来的には、デジタル定期券やデマンドタクシー、医療機関の予約などもできる予定だよ。福井県民アプリ「ふくアプリ」のサービスの一つとして提供され、いずれはデジタル地域通貨が使えるようになるかもしれないね。

 Q 導入が待ち遠しい。

 A 効率的な運行や公共交通利用促進を図るマースは、地方の交通網の維持につながる可能性もある。誰もが移動に困らない社会が実現するといいね。

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