須賀健太「ビジュアル100点満点!」劇団『ハイキュー!!』旗揚げ公演、日向役・加藤憲史郎と影山役・若林星弥に期待することは?【インタビュー】

2023年8月19日に初日を迎える、劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演より、演出の須賀健太さん、日向翔陽役・加藤憲史郎さん、影山飛雄役・若林星弥さんのお三方にインタビュー! 舞台の見どころから、オーディションでの裏話、バレーが上手いキャストについてもお聞きしました。
3人のかわいい写真に注目……!

楽しみ100%、不安100%の劇団「ハイキュー!!」

――劇団「ハイキュー!!」はどんなお芝居になりそうですか?

須賀 これまでは、僕が出演していたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」という作品が舞台で展開していたのですが、そちらは物語的にラストまで描き切りました。そして、新しく舞台作品として立ち上がったのが、劇団「ハイキュー!!」です。僕自身、演劇「ハイキュー!!」で初演から日向翔陽を演じていましたが、今回は演出という立場になっていろいろ考えることも多いです。初演出ですし、楽しみな部分と不安な部分が半々……ではなく、100ずつある感じです(笑)。

全員 あははは!(笑)

須賀 今回、演出をするにあたって改めて原作の漫画を読んで思ったのは、人間ドラマが浮き彫りになっている作品だなということ。そこは今回の劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演でも一番大切にしたいなと思っている部分です。掲載誌も週刊少年ジャンプですし、キャッチーな部分に焦点が当たりがちですが、人間の葛藤や高校生がぶつかり合いながら成長していく人間ドラマの泥臭い部分をしっかり伝えていきたいと思っています。

若林 原作の漫画もアニメも人気ですし、「ハイキュー!!」という作品の魅力を崩すことなく、劇団「ハイキュー!!」ならではの良さを上乗せしてお見せしたいです。

加藤 僕自身「ハイキュー!!」に参加させていただくのは今回が初なので分からないことも多いですが、星弥くんが言っていた通り原作やアニメの良さを、舞台の良さと一緒にお伝えできたらいいなと思います。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、日向翔陽役・加藤憲史郎さん

――加藤さん、若林さんは配役が決まった際のことを教えてください。

加藤 驚きが500%、喜びが500%でした!

須賀 いやいや、多いって!(笑)

加藤 でも、本当にそれくらい嬉しくてびっくりしました。

若林 僕も初めて聞いたときは信じられないという驚きと、嬉しいという気持ちでいっぱいでした。最初は嬉しい感情が勝っていましたが、時間が経って冷静になればなるほど、自分でいいんだろうかというプレッシャーも強くなってきました。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、影山飛雄役・若林星弥さん

等身大すぎる!高校生が演じる日向翔陽

――須賀さんから見た、加藤さんと若林さんの日向翔陽と影山飛雄に期待している部分は?

須賀 一番は、等身大であることですね。原作の日向や影山は高校1年生なので……原作の後半になると年齢は上がりますが、今回描く部分では高校1年生の15歳。

そう、15歳なんですよ! そこに関して言うと、僕が初めて日向を演じたときはすでに21歳だったので、日向や影山が見ている景色と同じものを見ている空気感というのは、より近くなると思います。どうやっても僕らではできなかった部分なので、とても楽しみにしています。

今もこうやって一緒にいるだけで、ふたりとも若いな~って思うことも多いですし。僕も28歳なので、まだ若い部類には入ると思うんですけど、学生ならではの感覚みたいなものは今回の魅力になるんじゃないかな。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、演出の須賀健太さん

――加藤さんは、須賀さんもハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」で演じられていた日向翔陽を演じられますが、意識しすぎてしまう部分もありますか?

加藤 そうですね、どうしても日向翔陽を演じている須賀さんになろうと演じてしまう部分があるので、そこは自分の日向を表現していかなくてはと思っています。

須賀 ふたりは初めましてというところから事前稽古がスタートしたので、最初のうちは初対面感が抜けてなかったよね。でも、人懐っこくて可愛い部分は日向らしさがすでに出ていると思います。見た目が人懐っこいとかではなく、にじみ出てくる距離感みたいなその人が持っている空気を感じるんですよ。そういう部分は、とくに原作初期の日向に近くて期待しています。ビジュアルも100点満点でしたし(笑)。

バスケ経験者ふたりがバレーに挑戦!

――若林さんは、影山飛雄に共感する部分などがありますか?

若林 飛雄は屈折した部分があると思われがちですが、実際はすごくまっすぐだし素直だし……。

バレーに対して真摯に向き合うからこそ、他人との熱量に差が出てしまう部分があると思うのですが、そのひとつのことに集中してまっすぐ向かっていく部分にはとても共感しています。僕自身も、こうだと決めたら一点集中していくタイプなので。

加藤 星弥くんってすごく優しいんですよ。影山は厳しいところもありますが、優しい部分もあるのでその優しさを星弥くんの演技で見るのが楽しみです。

須賀 僕はオーディションのときから見せてもらってるんですが、二次審査と三次審査の間で一番印象が変わったのが彼だったんです。それはとても素敵なことだなと思いました。解釈だったり、役を嚙み砕いて勉強することを素直にやり続けるのって、実はすごく難しくて。自分の芝居を変えることにもなりますからね。僕も役者なので分かりますが、一度作ったものを崩して柔軟に対応していくのって難しい。それをオーディション中にやって見せた彼を見て、たのもしく思いました。

――オーディション中に心境の変化などがあったのでしょうか?

若林 僕は負けず嫌いなところがあるのですが、いろいろな人と一緒にオーディションを受けてみて、このままじゃダメだという思いが出てきて。ライバルを見ていてというのと、これまで舞台作品をやったことがないのもあって、自分が変わらないと僕が演じる飛雄に魅力を感じてもらえないと思ったから。原作を1から読み返して、アニメも見直して役を研究しました。あと、スパイクジャンプの審査があって……。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、影山飛雄役・若林星弥さん

――バレー実技の審査もあるんですね!?

須賀 そうなんです、飛んでスパイクを打つ審査もあるんですよ。

若林 それで、スパイクを打つ動画もたくさん見て研究して、公園でスパイクジャンプの練習をたくさんしたのも活きたのかもしれないです。

――では、お三方のなかでバレーが得意なのは?

須賀 ふたりとも、球技得意なんだよね?

加藤 バスケットボールをやってました。

若林 僕も、中学3年間バスケットボールをやっていました。

須賀 バスケ作品の舞台もできちゃうね(笑)。ふたりはバレーの稽古もけっこうやってるんだよね?

加藤 はい。バレーってちゃんとやると思っていたより深い球技なんです。ひとつの動作が次の動作に繋がる部分があって、いろんなことを意識して動かなくてはいけないのが難しいなと思うのと同時に、とても面白い部分でもあります。

若林 僕は元々身体を動かすことが好きなので、バレーの稽古もすごく楽しかったです。

僕はセッターなのでトスを上げるのが中心になりますが、それもすごく難しくて……。相手が来てほしいと思っているところにボールを届けるために、指先や手首の細かい部分まで意識しなくてはならない……しかも速い動きのなかで。バレーの選手ってすごいなと改めて思いました。

演出家・須賀健太はついて行きたくなる先輩

――今回は劇団「ハイキュー!!」ということで、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」よりアナログにバレーを見せる部分があったりも?

須賀 そういう実技の部分を「リアルバレー」って僕らは呼んでるんですけど、そこをスローではなく普通の速度で見せることはもちろん出てくると思います。これは極論になってしまうのですが、バレーボールだけを見るなら一番面白いのは実際の試合を観に行くことなので、舞台ならではの見せ方で試合を進めていくことも重要になると思いますし、そこにはパフォーマンスやステージングが必要になると思います。

見てくださる人もどういう心構えで見るべきかというのがあると思いますが、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」のなかで舞台上のバレーにおけるルールみたいなものをこれまでの11作品で培ってきたので、いい部分は取り入れつつ、新しくできることには挑戦して劇団「ハイキュー!!」ならではのバレーボールをお見せしたいと思っています。

――おふたりから見て、須賀さんはどんな先輩・演出家さんですか?

須賀 こういう質問があると、ふたりともちょっとバツが悪そうな顔するよね(笑)。

若林 率直に尊敬できる先輩です。俳優としての面は舞台で拝見してきましたが、同じ俳優を目指す人間として須賀さんのようになりたいと思います。演出家としては、今回が初演出ということですが、ついて行きたいと思わせる安心感があります。

加藤 日向役としても俳優としても大先輩なので、先生みたいな部分が大きいですし、尊敬する部分しかないです。僕、須賀さんが出演されている作品も見ていて、演技も大好きで。こういうときにこういう表情をするんだっていう学ぶこともたくさんあるので、今回は演出家としていろんなことを教えてもらいたいと思っています。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、日向翔陽役・加藤憲史郎さん

烏野メンバーは全員揃っていることに意味がある

――皆さんが個人的に注目している登場人物や役者さんは誰でしょう?

若林 及川徹役の藤林泰也さんが事務所の先輩でもあるので、とても気になっています。先輩が舞台とどう向き合っているのか、一後輩として勉強させていただきたいです。いろんなことを吸収して、自分のものにしていきたいですね。

加藤 僕は、灰塚宗史さんが演じる月島蛍に注目しています。原作やアニメの月島って、ちょっと意地悪ですがそれ以外の一面もありますよね。本番の舞台に立ったときに、月島が来るシーンを灰塚さんが演じるとどうなるのかがとても楽しみです。

須賀 成田一仁役の柊斗くんですね。今回、僕のわがままを聞いてもらって成田を出すことになったんです。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」には出ていなかった役なんですけど。木下久志にも言えることで、木下は後半になって出るようになりました。

それは純粋に試合だったり出番的なことも含めて、ちゃんと役として必要だから出ていた感じで。原作が完結して改めて全巻を読み返してみて、烏野高校のバレーボール部の部員が集まってチームになっていく過程が土台としてあるなと思って。どのチームにも必要じゃないメンバーはいない、烏野メンバーは全員揃っているべきだなと思ったんです。全員揃っていることに意味があるので、注目してほしいポイントです。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演、演出の須賀健太さん

――劇団「ハイキュー!!」への意気込みをお願いします。

若林 原作の魅力を壊さずに、舞台ならではの見どころもたくさんできています。今回は、烏野高校と青葉城西高校が戦うので、チーム全員が舞台上にいるシーンもあると思います。漫画やアニメだと画角に収まっていなかった部分まで、自分の目で見られるのが魅力になるはず。

個人的にも、チームとしても「ハイキュー!!」の楽しさを届けるために熱い心を持って、一公演一公演お届けしていきたいと思います。

加藤 舞台を見に来てくださった皆さんにも、出演者に負けない熱量で劇団「ハイキュー!!」を一緒に体験してもらいたいです。精一杯頑張るので、楽しみにしていてください。

須賀 2015年にハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の初演があり、舞台における「ハイキュー!!」はとても長いシリーズになってきました。ここで、1から「ハイキュー!!」と向き合っていく劇団「ハイキュー!!」の座組みに僕自身も関わらせてもらえたことが何より嬉しく思いますし、初めて演出をさせていただけるということで倒れそうなくらい緊張もしています(苦笑)。

僕自身、役者として「ハイキュー!!」に関わらせていただいたときから、「信じて預ける」ということをとても大切にしています。それは日向翔陽役としても、須賀健太としてもそうですし、役者としてだけではなくスタッフの皆さんにも信じて預けることを僕の中では掲げて走ってきました。

今回新しく入るキャストやスタッフの皆さんを信じて、ひとりで作っているのではないという思いを改めて大事にしながら、みんなで劇団「ハイキュー!!」を作り上げたいと思います。ぜひ劇場にお越しください!

撮影/井上ユリ

公演概要

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演

【タイトル】 劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演
【原 作】 古舘春一 「ハイキュー!!」(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【演 出】 須賀健太
【脚 本】 伊藤マサミ
【音 楽】 和田俊輔
【出 演】 加藤憲史郎 若林星弥/灰塚宗史 吉野俊矢 熊沢 学 中西智也 益川和久
中村晴彦 柊斗 磯野 亨 野島大貴 河野凌太/藤林泰也 鈴木 恋 徳田皓己
坂田大夢 中原弘貴 上山航平/原嶋元久 碕 理人
【公演日程】 2023 年 8 月 19 日(土)~8 月 27 日(日)
【劇 場】 品川プリンスホテル ステラボール
【一般発売日】 2023 年 7 月 23 日(日) AM10:00~
【チケット料金】 9,800 円(全席指定・税込)
【チケット取扱い】 チケットぴあ https://w.pia.jp/t/gekidan-haikyu/
【チケットに関するお問合せ】 チケットぴあ information2@pia.co.jp
【公演に関するお問合せ】 ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/about/contact1.php
【公式サイト】 https://gekidan-haikyu.com/
【公式 Twitter】 @gekidan_haikyu
【監 修】 集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
【協 賛】 セブン-イレブン・ジャパン/ぴあ
【協 力】 一般社団法人 日本 2.5 次元ミュージカル協会
【主 催】 劇団「ハイキュー!!」製作委員会

(C)古舘春一/集英社・劇団「ハイキュー!!」製作委員会

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