斎藤佑樹「初めてのイギリス旅は僕にとって挑戦になり、いろんなことが学べました」――「斎藤佑樹 ロンドン発!500マイルの旅」インタビュー

2021年シーズンをもって現役生活を終え、“野球未来づくり”のためにさまざまな活動を行う斎藤佑樹。「斎藤佑樹 ロンドン発!500マイルの旅」(BS日テレ)では、MLBロンドンシリーズ取材で初めてイギリスを訪れた斎藤が、ロンドンから北に向かい、オックスフォード、羊の丘という意味のコッツウォルズ、ビートルズとサッカーで知られるリバプール、湖水地方を経て、スコットランドの首都・エディンバラを目指す約500マイルの旅へ。日本とは異なる街並み、自然、文化に触れていき、行く先々で出会う現地の人や留学生と交流し、羊の毛刈りやグランピングなどを初体験していく。

――イギリスで約500マイルにおよぶ旅を終えられての感想は?

「イギリスに行くのが初めてだったので、現地の野球文化を知りたいと思っていたし、日本とのスポーツに対する価値観の違いも気になっていました。この旅を通して野球以外にもいろいろと勉強できましたし、とても中身の濃い旅になったと思います」

――イギリスは野球が盛んではないですが、イギリスの野球文化をどのように感じましたか?

「僕が出合った野球チームは、決してうまいとはいえない方もいましたが、うまくなりたいと思って一生懸命練習する姿は、世界中どこでも変わらないなと感じました。その一方で、野球人口が少ないイギリスでは、環境や道具がなく、道具はインターネットで買ってアメリカやカナダから取り寄せていると聞きました。日本では道具を売っているお店が当たり前のようにありますが、イギリスではそれが当たり前ではありません。その中で野球をやっている子どもたちの姿を見てうれしく思いましたし、僕が大好きな野球を日本でできていたのは、あらためて幸せなことだと感じています。日本は恵まれていますが、それに満足することなく、僕たち野球を支える側の人間が、もっと子どもたちが野球をできる環境を整えなくてはいけないとも思いました」

――斎藤さんは“野球未来づくりに取り組んでいられますが、そのヒントを得られましたか?

「日本では競技人口が減っている現状に対して、そもそも競技人口が少ないイギリスからさまざまなヒントを得られましたし、これからこの出会いを野球界に還元できるようにしたいと思っています。イギリスの街並みや建物はすごく奇麗で、古い建物のよさを生かしながら、現代の技術とうまく融合させている。日本の改修が必要な野球場も、昔のカッコよさを残しつつ、今の時代に合った多様な使い方ができる場所になれば、野球に興味がない方でも行きたい場所になるのではと思いました」

――野球に関すること以外にもさまざまな体験をなさったそうですが、印象的なことを教えてください。

「すべての体験が楽しかったですが、まさか人生の中でヒツジの毛を刈ることがあると思っていなかったので、記憶に残っています(笑)。イギリスの歴史を支える羊毛産業を、実際に手を動かして学ぶことができましたし、僕が毛刈りの時にヒツジの皮膚を少し傷つけてしまったかもしれない時にも、羊飼いの方はすごく寛容に受け入れてくれました。あと、グランピングも楽しかったですね。広大な大地の景観はどこか北海道に似ていて、景色をゆったり眺めながら温かい気持ちになれました」

――この旅ではやれることをやり尽くしたという感じですか?

「反省点があって、釣りをした時に時間内に釣れなかったことが、すみませんという感じです(苦笑)。実は最初に釣り糸を垂らした時に、すぐに引っかかる感覚があったのですが、それを引く瞬発力が僕になかったことが悔しかったですね。食べられる魚が釣れたらグランピングで調理する予定だったのですが、見事に肉に代わりました(笑)」

――先ほど、街や建物を撮ったお話が出ましたが、今回は趣味であるカメラを持っての旅でした。いい写真は撮れましたか?

「かなりたくさん撮って、結構いい写真があると思います。それぞれの場所でお会いした方のポートレート、雰囲気のあるビッグベン、湖水地方の自然、エディンバラの奇麗な街並みとか、スタッフさんにお渡ししたので、(番組内で)全部使ってほしいです(笑)」

――これからイギリスを旅行しようと思っている方に、おすすめしたいスポットなどはありますか?

「今回は主に鉄道を使って移動したのですが、そこから見える景色や街と街との物理的・時間的なつながりを感じられる移動時間自体もとても有意義でした。鉄道を使ってロンドンからエディンバラに行くのはおすすめです。その間のルートは、番組を見て気になったところを選んでいただければいいと思います」

――今回の旅に限らず、斎藤さんにとって旅とはどんなものですか?

「やはりいろんなことを勉強させてもらえると感じます。今回はイギリスでしたが、とても有名な国であるにもかかわらず、知らないことがたくさんありました。日本国内やずっとやってきた野球でも知らないことがたくさんあると思うと、自分で調べて知る努力、人とコミュニケーションを取って教えてもらうことの大事さを痛感しています。今回の旅のためではないですけど、引退してから英語を勉強し始めたこともあり、直でコミュニケーションを取れるよさも感じました。今後も勉強して言語の壁を少しでもなくすことで、世界が広がると思いました」

――野球選手は遠征が多いですが、遠征や旅に必ず持っていくこだわりのものなどはありますか?

「現役の時は、ユニフォームとグローブとスパイクさえあればなんとかなるだろうと思っているタイプでした(笑)。いざとなれば、その土地で買えばいいと思っていたので、本当に必要最低限のものだけを忘れないようにしています。ただ、今回の旅では歯ブラシを持って行って本当によかったと思いました。日本のホテルでは当たり前のように置いてある歯ブラシが、イギリスではないことの方が多かったですね」

――最後に、番組を楽しみにしている方にメッセージをお願いします!

「旅番組自体が僕にとっては挑戦になり、本当にいろんなことを勉強させていただきましたが、電車で寝てしまっている姿とか、皆さんのイメージとは違う一面が出てしまっているかもしれません(笑)。一緒に旅をしている気分で、イギリスのすてきな景色を楽しんでいただけたらうれしいです!」

【プロフィール】

斎藤佑樹(さいとう ゆうき)

1988年6月6日生まれ。群馬県出身。早稲田実業高校3年時の全国高等学校野球選手権大会にエースとして臨み、決勝再試合の末に優勝を果たす。早稲田大学に進学して大学野球で活躍し、2010年のドラフト会議で1位指名を受けた北海道日本ハムに入団。21年をもって現役を引退し、現在は「株式会社斎藤佑樹」の代表取締役として、“野球未来づくり”をビジョンに掲げて活躍の場を広げている。

【番組情報】

「斎藤佑樹 ロンドン発!500マイルの旅」
BS日テレ・BS日テレ4K
金曜 午後10:30~11:00

斎藤佑樹は、世界有数の名門大学の所在地で知られるオックスフォードにたどり着く。自然豊かな街を巡った斎藤は、夕食を食べるために入った料理店で出会った日本人留学生と夢を語り合い、絶品料理も堪能する。

【プレゼント】

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【締切】2023年9月13日(水)正午

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取材・文/山木敦 撮影/蓮尾美智子

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