犬の『うつ病』初期症状5つ 絶対に見逃してはいけないサインと飼い主がすべき心のケアとは

見逃さないで!犬の『うつ病』初期症状5つ

犬は感情豊かで賢い動物です。それゆえに、非常に繊細で神経質な一面も持ち合わせており、ストレスや不安からうつ病になってしまうことも…。

ここでは、犬が『うつ病』になりかけている時に見せる初期症状を紹介します。以下のような行動の変化に心当たりのある方は、早めに愛犬への接し方の改善や心のケアへ取り掛かりましょう。

1.食欲がなくなる、摂取過多になる

犬がうつ病の初期症状を発症すると、人間のうつ病と同じような症状を見せることが多いです。例えば食欲が突然なくなったり、反対に異常なほど食欲が湧き暴食したりといった「食欲」に関する変化が見られます。

このような変化が現れるようになった場合は、心に大きなストレスや不安を抱えている可能性があります。うつ病を疑い、早めに対処しましょう。

2.睡眠時間に大きな変動が見られる

犬の平均的に睡眠時間は14時間程度と言われています。もちろん、2~3時間の個体差はありますが、浅い睡眠を繰り返し1日を通してトータルで14時間前後になる犬が多いです。

しかし、以前に比べて極端に睡眠時間が減ったり、反対に1日中寝ているといった変化が見られる場合は、うつ病の初期症状である可能性が疑われます。

3.声をかけても反応しなくなる(無気力)

うつ病を発症すると、無気力になる犬が多く見られます。今までは飼い主が声をかけると駆け寄ってきた犬が、声をかけても反応しなくなったり、横目で見るだけで動こうとしないといった変化が見られるようになるのです。

このように同じ場所でぐったりと無気力な様子を見せていたり、何に対しても興味を示さなくなるといった変化は、うつ病の初期症状で見られる代表的なサインです。

4.同じ行動を執拗に繰り返す

うつ病の代表的な症状の1つに『常同行動』という症状があります。これは、同じ行動を異常なほど執拗に繰り返す様子を指す言葉です。

犬の場合は、自分のしっぽを執拗に追いかけたり、体の一部を執拗に舐め続けたり、地面を掘るような行動を繰り返すといった常同行動が目撃されます。

5.明らかに臆病になったり攻撃的になったりする

うつ病を発症した犬は今までの性格がガラッと変わり、様子や態度に大きな変化が見られることが多々あります。

今までは温厚だった愛犬が、ある時期を境に突然臆病な様子を見せたり、攻撃的な態度を取るようになった…という話は珍しくありません。

このような変化は、ストレスや不安から自分の身を守ろうと防衛本能が強く働いているために起こる変化です。激しく叱ったりせず、優しく包み込むように寄り添ってあげましょう。

うつ病の初期症状が出た時に飼い主がすべき『心のケア』とは

上記で紹介したようなうつ病の初期症状が愛犬に現れた場合、飼い主にはどのような心のケアができるのでしょうか。

  • 一緒に過ごす時間を増やす(留守番時間の短縮など)
  • 毎日の遊びやスキンシップの時間を増やす
  • 愛犬の好奇心を刺激するような良質な散歩を行う
  • 他の犬や人と触れ合う機会を設ける
  • ドッグランなど犬本来の楽しみを見出せる場所に連れていく
  • 愛犬が好きなことを思う存分楽しませてあげる
  • 目的のある遊び(知育遊びや感覚器官を使った遊びなど)をさせる

1つの対処法では犬の心をケアすることは難しいので、愛犬に適したケア方法を模索するため、さまざまな対処法を試してみましょう。

「楽しい」「嬉しい」「面白い」といったポジティブな感情を再び実感させてあげることで、うつ病の症状を改善したり不安やストレスを和らげてあげることができます。

まとめ

いかがでしたか。犬はとても繊細な動物なので、飼い主の言動や生活環境によっては『うつ病』を発症してしまう事例が多数報告されています。今回紹介したうつ病の初期症状を見逃さず、早めに対処してあげましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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