名古屋鉄道、運転士業務用アプリを搭載したタブレット端末導入へ

名古屋鉄道株式会社(以下、名古屋鉄道)は8月10日、運転士業務用アプリを搭載したタブレット端末を8月17日より順次導入し、2023年度中に全線(築港線を除く)において使用を開始すると発表した。運転士の業務を支援することで、輸送障害時の対応力の向上、および案内におけるサービス向上を図るという。

同端末は、名古屋鉄道と株式会社メイテツコムが共同開発したものだ。同端末を導入する主な目的は「運転士用時刻表の電子化」、「情報共有アプリの導入拡大」、「サービス向上」だ。具体的には、「運転士用時刻表の電子化」では、従来の紙製運転士用時刻表を廃止し、タブレット端末に運転士用時刻表データを配信する。これにより、輸送障害時においても迅速な案内や対応を実現するとともに、紙の使用量を削減する。

また、「情報共有アプリの導入拡大」では、既存の車掌用タブレット端末に搭載している情報共有アプリを運転士用タブレット端末にも搭載する。これにより、運転士自身が現場の写真や動画を即座に社内で共有できるようになり、車掌が乗務していないワンマン列車においても、異常時における情報共有の迅速化・正確性の向上を図る。さらに、「サービス向上」では、音声翻訳アプリや筆談アプリ等も搭載し、すべての利用者に安心して鉄道を利用してもらえる環境を目指すという。

なお、名古屋鉄道は、今後運転士用タブレット端末の機能を拡充するため、GPSを活用した運転士支援機能や情報伝達機能などを順次開発・搭載し、輸送品質の向上を図る。さらに、運転士用タブレット端末の導入にあわせて、既存の車掌用タブレット端末の導入線区を全線に拡大するとともに、紙製の車掌用時刻表についても電子化すると述べている。

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