夏ドラマ座談会「どん底主人公の成長ストーリーは共感!」

女性の共感を呼んでいる『18/40~ふたりなら夢も恋も~』

制作費が1話1億円と報じられている『VIVANT』や若手演技派俳優が集結する『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』など、見どころ満載な夏ドラマ。本誌でアルバイトする20代大学生や50代ベテラン記者が世代を超えて語り尽くしました♪ 題して、「女性による女性のため“2023夏ドラマ”座談会」ーー “どん底主人公”の成長ストーリーに共感!

30代編集A(以下、A):7月スタートの夏ドラマも中盤に突入しました。視聴率では、日曜劇場『VIVANT』(TBS系・日曜21時〜)が首位を独走中ですが、いかがですか?

30代記者S(以下、S):海外ロケパートのスケールが大きくて圧倒されました。砂漠のシーンは画がすごすぎて、CGかな? って目を疑っちゃった。

A:公安捜査官の阿部寛(59)がいきなりパトカーを何台も壊しちゃったり、海外のアクションドラマ好きから見ても、すごいお金をかけて作っているのがわかります。

20代大学生N(以下、N):私は最初、映画みたいだなあと思いました。集中して見ないと内容がわからなくなっちゃうし、ながら見はできないですね(笑)。

S:確かに、役所広司(67)や二階堂ふみ(28)とか、映画に出ている俳優が多くて、めちゃくちゃ豪華ですね。さすが日曜劇場。

50代記者H(以下、H):堺雅人(49)の過去や違う人格の彼など、伏線がいろいろちりばめられているので、今後どう回収されていくのか楽しみです。

S:伏線といえば、中村倫也(36)の『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系・木曜21時〜)も死人は出るし、放火事件もあり、ミステリとして面白く見られます。

H:中村倫也がハマり役だと思いました。キャラの濃い人たちに振り回されている感じも似合っているよね(笑)。

N:編集者役の山本耕史(46)が好きで。中村倫也とのやりとりがクスッとしちゃう。

S:小説家として落ち目の中村倫也とか、今期は人生に迷っている人の話が多いですよ。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系・土曜22時〜)の松岡茉優(28)、『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(TBS系・火曜22時〜)の福原遥(24)や深田恭子(40)もそうですし。

A:本当ですね。『ばらかもん』(フジテレビ系・水曜22時〜)の杉野遥亮(27)、『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系・水曜22時〜)の赤楚衛二(29)、『転職の魔王様』(フジテレビ系・月曜22時〜)の小芝風花(26)、と人生につまずいている人ばかり。

S:松岡茉優は、自分の「死」の未来を変えようと、2周目の人生は生徒と向き合っていくと決意した教師役。彼女自身は28歳ですが、30代のようなすごみがありますよね。

A:加藤清史郎(22)がいじめっ子のリーダーという配役が意外でしたけど、ビックリするくらい怖くて。1話は芦田愛菜(19)、2話は映画『君たちはどう生きるか』で主人公の声優を務めたことでも話題の山時聡真(18)、とスポットライトが当たる生徒が変わるので、次は誰のどんな演技が見られるのか毎回楽しみです。

■人生に迷っているヒロインが刺さる

H:『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』は、18歳で妊娠した大学生と40歳のキャリアウーマン、それぞれの世代の悩みや葛藤を描いているので、女性の共感を呼んでいますね。

A:30歳の私は、両方の気持ちがわかるので、とにかく感情移入しまくってます(笑)。18歳のときは子どもができてしまったらどうしようと思っていましたが、いまは子どもができなかったらどうしようという不安があります。仕事も結婚も出産も諦めたくないし。

S:刺さりまくって、つらいよね(笑)。

N:私は、福原遥が子役時代から見ていて一緒に育ってきたようなものなので、同級生を見ているような気持ちですね。彼女のキャラクターもあってか、無計画に子どもを作って! と非難される感じがないのが救いです。

H:『こっち向いてよ向井くん』も赤楚衛二がかわいすぎる。あのルックスで恋愛下手っていうギャップがたまらないじゃない(笑)。

S:恋愛の仕方を忘れているところとか、32歳の独身だったらあるなあって思うし、私自身、思い当たるふしがありすぎて、グサグサきています(笑)。

N:『転職の魔王様』は、自分の就活を思い出します。成田凌(29)が小芝風花や転職エージェントに来た求職者に辛辣な言葉を投げかけるたびに胸が痛いけど、実は正論ですよね。

S「転職限界年齢は35歳」とか、シビアな話だけどリアルだと思いました。あと、杉野遥亮の『ばらかもん』は、小学生のなるちゃんとの掛け合いがほほ笑ましい。「謝るって大切だよね」とか、なるちゃんの言葉に気づかされる杉野遥亮が、少し子どもっぽいけれど、真っすぐなところがピッタリだなあって。

H:組み合わせの面白さで言うと、『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』(テレビ朝日系・火曜21時〜)の伊藤沙莉(29)と織田裕二(55)のコンビもいいバランス。執行官という仕事をしっかり見せつつ、執行を受ける側の人たちの人間ドラマも見応えあります。

A:織田裕二に負けない伊藤沙莉の存在感はさすが。セクシーキャラを封印している中島健人(29)にも注目です。ところで、Z世代から見て、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系・月曜21時〜)はどうですか?

N:間宮祥太朗(30)、水上恒司(24)、と出ている人がみんなカッコいいので、眼福感は半端ないです。神尾楓珠(24)が雨にぬれているだけでOKじゃないですか(笑)。

S:好きでもないのに森七菜(21)にいきなりキスしちゃうとか、ちょっとクズ男なところもたまらないです(笑)。

N:あと、『トリリオンゲーム』(TBS系・金曜22時〜)の目黒蓮(26)と佐野勇斗(25)もカッコいいです。テンポがいいし、毎回、どんでん返しがあるので、飽きずに集中して見ちゃいます。

H:チャラ男で世界一のワガママな目黒蓮って、これまで演じてきた役と全然違うキャラクターで新鮮だなあ。

S:そこは正直、ちょっと不安だったんですよ。目黒本人の真面目で誠実なイメージともかけ離れているし。でも、心配する必要はなかったです。目黒蓮の新たな魅力を発見! って感じです。

A:人生に挫折した人が奮闘する姿に生きるヒントや活力をもらえる。そんな楽しみ方ができる作品がそろいましたね。

【本誌記者たちのBEST3】

50代記者H:1位『VIVANT』/2位『ハヤブサ消防団』/3位『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
30代記者S:1位『こっち向いてよ向井くん』/2位『VIVANT』-/3位『転職の魔王様』
30代編集A:1位『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』/2位『VIVANT』-/3位『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』
20代大学生N:1位『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』/2位『ばらかもん』/3位『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』

© 株式会社光文社