「駅が全壊」「浜で魚が…」100年前の関東大震災に学び、大地震への備えを知る企画展

100年前の関東大震災での大磯町の被害や現在の防災グッズなどが紹介されている企画展=町郷土資料館

 100年前の関東大震災が大磯にどんな被害をもたらしたのか、今起きたらどうしたらよいかなどをまとめた企画展が大磯町郷土資料館(神奈川県立大磯城山公園内)で開かれている。入場無料。

 震災で同町は激しい揺れに襲われ、警察の調べでは合併前の大磯町と国府村を合わせて家屋の全壊が約660戸、死者は64人あった。大磯小学校も全壊し、大磯港は海岸が隆起したことで漁船の出入りが難しくなったという。

 会場では、全壊した大磯駅や半壊となった警察署、あめのように曲がった鉄道線路などの写真や、水源枯渇や家屋倒壊など地域ごとの被害をまとめたパネルなどを展示。15世紀末から大磯に被害があったと考えられる大地震も紹介され、ほぼ100年の間に必ず起きていることが分かる。

 また、町消防本部が1979~80年に震災体験者に聞き取り調査を行った際の音声も公開。「砂煙がすごかった」「浜に行くと(急に潮が引いて)魚がはねていた」などの生々しい体験談も聞ける。

 今後、大地震が起きたときのためには「想定にとらわれない」「最善を尽くす」「率先避難者たれ」の岩手・釜石の避難3原則を紹介。懐中ランプや携帯トイレ、窓ガラスの飛散防止フィルムなど100円ショップで大半がそろえられる防災グッズが展示されている。

 20日午後2時からは同資料館で横浜地方気象台の松井正人さんの講演会「大正関東地震から100年・地震に備える」、9月9日午前9時からは県立大磯城山公園でペットと一緒の避難訓練が行われる。ともに参加無料。

 企画展は10月31日まで。月曜休館。同資料館へはJR大磯駅から「二宮駅南口」「湘南大磯住宅」行きバスなどで「城山公園前」下車、徒歩5分ほど。問い合わせは、同資料館電話0463(61)4700。

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