日本産食材に海外バイヤー熱視線 香港でアジア最大級の見本市

海外のバイヤーらが熱視線を送る日本のブース(17日、香港で)

【香港・鈴木雄太】アジア最大級の食品見本市・フードエキスポPRO(香港貿易発展局主催)が17日、香港で開幕した。日本から約150団体が出展。世界各国から高品質な食材を求めてきたバイヤーへ、和牛や果実、日本酒などを売り込む。4年ぶりに試食もできるようになり、日本産のおいしさを訴求し、輸出拡大に弾みをつける。19日まで。

各国からの出展ブースが並ぶ会場で、ひときわにぎわったのが日本のブースだ。鹿児島県食肉輸出促進協議会は、黒毛和牛「鹿児島黒牛」を売り込んだ。マレーシアで複数の高級レストランを経営するジョセフ・リムさんは「鹿児島黒牛は香ばしい脂の香りがある。ステーキなどで提供したい」と関心を示す。香港の卸売業者なども訪れ、活発な商談が行われた。

青森県とヤマト運輸は、新鮮さが売りの県産トウモロコシ「郷のきみ」をPR。収穫当日に香港へ届け、他国産では難しい生食もできるとして話題になった。初めての海外進出となり、県内生産者の中平将義さん(40)は「手応えは十分」と話す。

フードエキスポPROは商談に特化した見本市で、これまでフードエキスポ内にあった商談ブースを独立・拡充した。エキスポ全体で24カ国・地域から1800団体が出展する。同時に開かれる展示会を含め50万人以上の来場者を見込む。

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