九重町「寒の地獄」にサウナ「暖の地獄」 寒い季節も入浴しやすく、通年営業に変更【大分県】

サウナ「暖の地獄」。この後、冷泉に漬かるのがたまらない=九重町
寒の地獄の冷泉。14度の冷たさ=九重町

 【九重】水温14度の冷泉が人気で、県内外から観光客が訪れる九重町田野の「寒(かん)の地獄」に、まきストーブで室温約100度を保つサウナ「暖(だん)の地獄」ができた。寒い季節も入浴しやすくなり、これまで7~9月のみだった営業を通年に変更。「一年中利用したい、という声にやっと応えられた。日本一の水風呂と称される冷泉を楽しんで」と来場を呼びかける。

 寒の地獄は1849年に開湯。1928年に寒の地獄旅館として創業した。毎分2160リットルが湧き出す、全国的にも珍しい冷たい硫黄泉。水分を拭き取らずに暖房室に入り、体に成分を「あぶり込む」入浴法を勧めてきた。

 通気性の良い暖房室では高温が保てないため、夏場以外は営業できなかった。サウナを求める声は以前からあり、数年前から設置を構想。新型コロナウイルス禍でやや遅れたものの、二つあった暖房室の一つを改装して7月に完成した。

 同旅館4代目館主の武石真澄さん(43)によると、「待望していた」という常連客や、「サウナができたと聞いて来た」という新規客で連日、にぎわっている。

 福岡市の会社員吉田圭介さん(34)は「サウナが好きでいろいろ行ったが、ここの冷泉は最高。次は泊まりがけで来て、もっと、ととのいたい」。

 冷泉とサウナの利用(2時間)は一般2500円、中高生千円、小学生以下500円(いずれも税込み)。男女とも水着やTシャツなどを着用して入浴する。繁忙期は同旅館ホームページからの予約がお勧め。

 武石さんは「サウナが冷泉の魅力をさらに引き立ててくれる。入浴法のオプションが増え、通年営業にもなったので、あらためて魅力を知ってもらいたい」と話している。

 問い合わせは寒の地獄旅館(0973.79.2124)。

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