「ヤッサーモッサー」 伝統行事のカズラ曳き 力強く 壱岐・八幡浦

住民100人以上が参加した伝統のカズラ曳き=壱岐市芦辺町、八幡浦

 長崎県壱岐市芦辺町の八幡浦で13~15日、100年以上続く伝統行事「カズラ曳(び)き」があり、住民100人以上が曳きながら地区内の道約500メートルを練り歩いた。
 八幡浦青年団が催していたが、団員の減少から市消防団芦辺地区第2分団(岩井将人分団長)が開催している。曳くカズラは自生する浜カズラを漁網でくるんだ長さ約8メートル、直径約80センチ。
 住宅が立ち並ぶ路地では地域の子どもや大人が「エンヤマイト」のかけ声でゆっくり曳き、勢いが付くと「ヤッサーモッサー」のかけ声で力強く曳く。沿道から力水がかけられた。
 13、14日は西方浄土から先祖の霊を迎えるため八幡浦を西から東へ曳き、15日は東から西へ曳き、通り道でお盆のお供えなどを焼いて先祖の霊を見送り、東へ戻った。
 人口の減少や自生する浜カズラの減少、編み込みの手間がかかることから曳くカズラは小さくなっているが、かつては長さ10メートル、重さ1トンを超えるものを曳いていたという。岩井分団長は「形は変わっても地元の伝統行事として続けていきたい」と話した。

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