O-RANアライアンス、北米に4箇所のOTICを新設

独ボン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --無線アクセスネットワークのオープン性とインテリジェンス性を高め、仮想化し、完全に相互運用可能なものに変革するという使命を体現するO-RANアライアンスは、北米の新しい4箇所のオープンテストと統合センター(OTIC)について承認したことを発表しました。OTICは、「O-RAN認定およびバッジプログラム」で複数の賞を発行するO-RANアライアンスによって承認された、ベンダーに依存しないオープンな認定ラボです。これにより、オペレーターは自信を持って大規模に製品の展開ができます。

ボストンエリアの北米OTIC(ノースイースタン大学)

ノースイースタン大学のワイヤレスインターネット・オブ・シングス(WIoT)研究所のOTICでは、次世代のインテリジェントなオープン無線アクセスネットワーク(オープンRAN)の研究や開発、テストを促進します。オープン6Gハブ内のOTICは、マルチベンダーの相互運用性とプログラマブルなネットワークのエンドツーエンド制御ロジック検証に向けた産学官向けリソースです。これには人工知能(AI)や機械学習(ML)アルゴリズムが含まれます。OTICは、分離された基地局とRANインテリジェントコントローラー(RIC)を検証するテスト機器とサービスを提供します。例としては(xAppやrAppといった)カスタムアプリケーションなどが挙げられます。アプリケーションのテストは、エミュレーション環境または無線環境で様々なRAN実装(商用やオープンソースのスタックなど)に対して可能です。OTICプラットフォームには、ハードウエアインザループを備えた世界最大のワイヤレスネットワーク・エミュレーターである「コロッセオ」が含まれており、すでに複数のオープンRANテストとトライアルのデジタルツインとして紹介されています。

「ノースイースタンのオープン6Gは、オープンRANテストやアーキテクチャ、アルゴリズム、ソフトウエア、実験におけるイノベーションの最前線にあります。私たちは、提携先との協働で、政府や産業界、学術界にサービスを提供し続けるようなイノベーションとテストのエコシステムを構築しています」と、ノースイースタン大学ワイヤレスインターネット・オブ・シングス研究所所長のトンマソ・メロディアは話します。

アイオワ州中央部の北米OTIC(ARA)

アイオワ州中央部の北米OTIC(ARA)は、アイオワ州立大学ワイヤレス・コミュニティ・イノベーションセンター(WiCI)で管理されています。そこでは、新導入されたNSFが資金提供したARAルーラル無線プラットフォームが使用されます。また、最先端の無線機器が使用され、農業と地方の環境や機器を追加したO-RAN技術のテストや統合向けサービスが提供します。ARA-OTICは実験を促進するために、自由空間光からミリ波帯やマイクロ波帯まで、マルチモデルで長距離、大容量の無線Xホールプラットフォームを展開しました。また、低UHF大規模MIMOシステム、ソフトウェア無線(SDR)、プログラマブル商用オフザシェルフ(COTS)5Gシステムなどの高度な無線アクセスプラットフォームや、モデリング環境およびシミュレーション環境、管理システムや意思決定システムを統合するオープンソースの5G以降のソフトウエア・プラットフォームも複数展開されています。ARA-OTICは独自のプラットフォームを提供することで、研究とイノベーションにおけるO-RANのオープン性向上に全力で取り組んでいます。

「ARA-OTICは、AgTechやその他の地方産業に無線イノベーションをもたらすO-RAN 機器とサービスをテストする独自のプラットフォームを提供できていると考えています」と、アイオワ州中央部の北米OTIC(ARA)所長を務めるホンウェイ・チャン教授は述べています。

ソルトレイクシティの北米OTIC(POWDER)

ソルトレイクシティの北米OTIC(POWDER)は、研究室および現場シナリオにおけるエンドツーエンドのオープン RANテストを支援し、合理化されたオンデマンドのテスト機能を提供するテスティング・オーケストレーション・アンド・テスティングオートメーション(TOTA)の枠組みを開発しました。POWDERで提供されるOTICサービスには、相互運用性やエンドツーエンドのテスト、バッジ授与、認定が含まれます。OTICは、ユースケースや概念実証の開発と評価、ラボやフィールド環境での機能テスト、オープンRANインテリジェント・エコシステムの研究、テスト、開発など、追加のオープンRAN関連サービスを提供します。

「POWDERのOTIC指定について非常に嬉しく思います」と、カーラート・スクール・オブ・コンピューティングの教授兼POWDERプラットフォームおよびソルトレイクシティの北米OTIC(POWDER)ディレクターを務めるKobus Van der Merweは話します。「OTICになることで、POWDERは5G・6G、特にオープンRANのテストや開発、認証サービスを提供でき、業界パートナーとの継続的な共同研究努力の基礎を形成できます。POWDERの自動テストやサービスとしてのラボ機能、POWDERの屋内外での施設提供は、この分野における特有の機能です。」

ワシントンDC・バージニア州アーリントンの北米OTIC

AT&Tやディッシュ・ネットワーク、ベライゾンと提携するバージニア工科大学コモンウェルス・サイバー・イニシアチブ(CCI)xGテストベッドでは、プログラマビリティと相互運用性を重視し、可能な場合はオープンインターフェイスとオープンソース・ソフトウェアに頼ります。主な機能として、5Gおよび次世代モバイル・ネットワークの保護、AI保証、マルチベンダーの相互運用性、適合性および機能のテスト、AI/MLフレームワークによってサポートされるエンドツーエンドのインテリジェントRAN制御ループが含まれます。CCIのOTICは屋内外のテスト環境を備えており、細分化されたRANコンポーネント(O-RAN集中ユニット(O-CU)、O-RAN分散ユニット(O-DU)、O-RAN無線ユニット(O-RU))、場所を超えたトランスポートネットワーク全体の無線経由(OTA)を検証できます。研究者は、RANコンポーネントと無線インテリジェントコントローラー(RIC)、(xAppやrAppといった)AI/MLベースのマイクロサービスやアプリケーションとの相互作用をテストできます。関連サービスには、ユースケースや概念実証の開発、評価が含まれます。

「コモンウェルス・サイバー・イニシアチブは、次世代のワイヤレスネットワーク 技術の安全性確保に尽力しています」と、ワシントンDC・バージニア州アーリントンの北米OTICでCCIxGテストベッド・ディレクターを務めるAloizio P. DaSilvaは話します。「OTICサイトとして相互運用性や適合性、性能テストを実施することで、カギとなる差異を特定、対処し、ワイヤレス市場でのイノベーションと早期展開を促進していきます。」

「O-RANアライアンスは北米でさらに4箇所のOTICを加え、全世界では計15箇所になりました」と、O-RANアライアンスのアレックス・ジンソン・チェ取締役会長は述べています。「製品を認証し、バッジを授与するというOTICの重要な機能によって、製品を開発し続け、O-RAN仕様を運用するオペレーターメンバーと貢献ベンダーの作業が補完されます。」

O-RANアライアンスについて

O-RANアライアンスは、無線アクセスネットワーク(RAN)業界における300を超える組織のモバイル通信事業者、ベンダー、研究・学術機関から成る世界規模のコミュニティーです。RANはあらゆるモバイルネットワークの必須要素となっており、O-RANアライアンスの使命はRAN業界を再構築し、インテリジェンス性とオープン性を高め、仮想化を進め、完全に相互運用可能なモバイルネットワークを実現することにあります。新しいO-RAN仕様により、ユーザー体験を改善するイノベーションが迅速化され、より競争力と活力のあるRANサプライヤーエコシステムが実現します。また、同時にO-RANを基盤とするモバイルネットワークにより、モバイル通信事業者によるRANの導入と運用の効率が改善されます。これを達成するため、O-RANアライアンスは新たなRAN仕様を公表し、RAN向けオープンソフトウエアをリリースするとともに、会員組織によるこれらの導入の統合とテストを支えています。

詳細情報については、www.o-ran.orgをご覧ください。

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