ガソリン高に悲鳴 茨城県内平均180円に迫る 運転者「遠出控える」

レギュラーガソリン1リットル当たり179円を表示したガソリンスタンドの表示板=水戸市河和田

政府による補助金縮小や円安の影響で、ガソリン価格の上昇が続いている。経済産業省が16日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格(14日時点)は、前週調査から1円60銭高い181円90銭。茨城県は1円70銭高い179円70銭で全国平均以下だが、ドライバーの中には遠出を控えたり、公共交通への移行を探ったりする動きも出始めている。

▲出費増「勘弁」

同県水戸市河和田のガソリンスタンド(GS)「シンエネ水戸SS」は7日から、レギュラーガソリン1リットル当たりの販売価格を3円引き上げ179円(17日現在)としている。

給油に訪れた同市の会社員男性(37)は「ガソリン価格が上がっても会社の通勤手当は変わらないので、出費が増えるばかり。これ以上(の上昇)は勘弁してほしい」と嘆く。

宮城県仙台市の自営業男性(30)は「国の補助がなくなるのは仕方ない。何とかして移動費を抑えるしかない」と諦め顔で話した。

水戸市の無職男性(81)は「値上げは我慢するしかない」と一定の理解を示す。「遠出を控え、省エネ運転で節約する。移動手段をバスに変えることも考える」などと語った。

▲顧客離れ懸念

値上がり(全国平均)は13週連続で、2008年8月以来約15年ぶりの高値。政府は昨年1月から補助金を出して価格上昇を抑えてきたが、今年6月からは段階的に縮小し、9月末には終了予定。ガソリン価格上昇は今後も続く見通しだ。

価格上昇で、GS側が懸念するのが顧客離れ。同店店長の南和樹さん(43)は、価格上昇で「夏休みの外出シーズンの売り上げも低迷するのではないか」と予測。顧客離れを防ぐため、利用者が安く給油でき、1リットル当たり最大11円安くなるサービスを導入して周知に努めているという。

今後も値上がりが見込まれる中、南さんは「値引きをアピールし、できる限り安く給油してもらうしかない」と話した。

▲190円台も視野

資源エネルギー庁の調べでは、茨城県内のレギュラーガソリン小売価格は、21年10月に1リットル当たり161円90銭を記録。同月から160円を下回ることはなく、今年3月末には163円90銭、5月末に165円10銭、7月末に173円50銭と上昇基調で推移してきた。

県石油商業組合の稲葉修一理事長(73)は「一番大変なのは国民。10月から補助金がゼロになったら、このままいくとレギュラーガソリン価格が1リットル190円台になってしまう」と懸念を示す。

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