ラオスの極悪路でミツビシのヨーターが総合3番手に。首位は依然トヨタの青木拓磨/AXCRレグ4

 8月13日(日)に開幕したAXCRアジアクロスカントリーラリー2023は後半戦に突入。今大会はこの17日(木)より国境を超えて、ラオスでの戦いに移っている。タイのタント・スポーツに技術支援を行うかたちで同ラリーに参戦している“チーム三菱ラリーアート”は、チャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組(ミツビシ・トライトン)が総合4番手から3番手に順位を上げてきた。

 一方、チームメイトの田口勝彦/保井隆宏組のトライトンにはメカニカルトラブルが発生。このため順位を総合11番手に下げることに。また、リファット・サンガー/シューポン・シャイワン組(ミツビシ・トライトン)は泥濘路に捕まりデイリタイアとなっている。

■トップの青木拓磨とのギャップは約15分

 3台の新型ミツビシ・トライトンは、早朝にタイを出発し国境通過を経てラオスでのSS(セレクティブセクション)に臨んだ。国境沿いを進むルートがとられたSS4もこれまでと同様におおむねドライコンディションだったが、一部区間ではマッディな路面や川渡りなどの難所が待ち受ける非常に難易度の高いコースとなった。

 その中では他の多くの競技車両と同じようにトライトンも無傷とはいかず3組とも、それぞれ何かしらのダメージを負いながらフィニッシュへと到達している。

 総合4番手でラオス初日を迎えた“王者”ヨーターは、この難コースを好ペースで走り切り2時間06分37秒というステージ3番手タイムをマーク。総合でも3番手にポジションを上げてみせた。

 ディフェンディングチャンピオンの前にいるのは、前日からワン・ツー体制を築くTOYOTA GAZOO Racingインドネシアのトヨタ・フォーチュナー勢だ。首位に立っている元GPライダーの青木拓磨はこの日もステージ2番手の好走を見せてヨーターとのギャップを拡げ、その差を15分20秒とした。総合2番手はチームメイトのトゥバグス・モレンシャディで、このインドネシア人ドライバーと新型トライトンを駆る王者のギャップは9分56秒となっている。

 今大会がクロスカントリーラリーに初参戦となる田口もステージ前半パートで10台以上をオーバーテイクする快走を見せ、後半でのさらなるポジションアップにも期待がかかった。しかしその後半セクションでメカニカルトラブルに見舞われ、大きく遅れてのフィニッシュに。この影響で田口はステージ17番手、総合順位も8番手から11番手に後退している。

 前日から2台のサポートに回っているサンガーは、ラオスの難しい路面に苦戦を強いられた。彼がドライブするトライトンは泥濘路でスタックを喫し、この日の競技から離脱することに。チームは明日のレグ5での再出走を図っている。

田口勝彦(ミツビシ・トライトン)はステージ前半部分で10台以上をオーバーテイクする快走を見せていたが、トラブルで順位を失うことに。  アジアクロスカントリーラリー2023

■トラブルの原因を究明中

「ラリー4日目が終わりました。ここ近年で一番厳しいコースだったと聞きました。水があり、大きく深い穴もあり、なおかつハイスピードという、非常にクルマにも厳しいコースだったようです」と語るのは、チーム三菱ラリーアートを率いる増岡浩総監督。

「チャヤポン(・ヨーター)選手は順調にゴールしましたが、田口(勝彦)選手はメカニカルトラブルで遅れてしまいました。いま原因を究明しています。あと2日、さらにマディなコースがこれから出てくると思いますが、最後まで諦めずに戦ってまいります」

 ラオスでの2日目、ラリーの競技5日目はラオスのパクセーを拠点に全長167.82kmのループステージが設定されていた。しかし、車両の通行が難しいセクションがあるため、ステージの後半部分をキャンセルされることが発表された。これによりレグ5のSS5は、120.76kmに短縮されての実施となる。

増岡浩総監督(左)とメカニカルトラブルに見舞われた田口勝彦(中央) アジアクロスカントリーラリー2023
ラオスの“極悪路”を走り抜けるチーム三菱ラリーアートのミツビシ・トライトン(チャヤポン・ヨーター) アジアクロスカントリーラリー2023
アジアクロスカントリーラリー2023暫定結果 レグ4後(PDFが開きます)
トライトンと同じカラーリングが施されているサポートカーの『ミツビシ・デリカD:5』 アジアクロスカントリーラリー2023

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