チーズ おつまみ系の提案が続々 コロナ後も在宅・家飲み継続に期待

チーズ市場で各社から秋冬に向けておつまみ系の提案が顕著に現れている。

コロナ禍で活況となった在宅・家飲み需要が、アフターコロナに向かう中でも継続していくとの見立てが背景にある。

「チーズの需要自体は減っておらず、むしろ上がってきている。近年の市場傾向としてはデザート系が好調。家飲みが習慣化した分、おつまみ需要が根付いた。外出が増えたからといって大きく減ったり増えたりはせず、むしろラインアップが増えた分、手を伸ばしやすくなった可能性がある」(マリンフード担当者)と見る向きもある。

六甲バターは、もともとお酒のおつまみとして人気の高いチーズをよりおつまみに特化させる。9月1日に「厳選おつまみベビーチーズシリーズ」の新商品として「だし香る柚子七味風味」「アンチョビアヒージョ味」「ポルチーニ薫る燻製ベーコン入り」の3品を新発売する。

糖質が低いことから30~40代女性を中心に好調に推移している「チーズデザート6P」シリーズも強化する。9月1日に「ピスタチオショコラ」を新発売するほか、期間限定品として「神戸産シャルドネ」「熊本県産和栗」、12月に「福岡県産あまおう苺」「青森県産シャキシャキふじりんご」を発売する。

通常の6Pチーズの販売が足踏みしていることも踏まえて「価格改定から一巡する来年こそ数量を稼がないと売上が落ちてしまう。今のうちに売場を作っていく」(六甲バターの営業担当者)との考えから、デザート6P単独の売場づくりや購買層の近い他社のクリームチーズとの陳列を提案する。

「ふぞろいのチーズたち」シリーズなどを展開する高見澤ラクティライフ事業部では、ご当地のおつまみチーズや値ごろ感のあるニューヨークチーズケーキなどを強化。

東京デーリーは、「そのまま食べるとしょっぱい青かびチーズ」のイメージを持つ「ゴルゴンゾーラチーズ」を、蜂蜜やパスタと合わせるほか、バケットやりんごに挟む提案などを行っている。

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