石川の文化、奥深さに魅了 ジャパンテント、工芸体験や名所見学

加賀八幡起上がりの彩色を楽しむ参加者=18日午前10時50分、金沢市の石川県観光物産館

  ●加賀八幡起上がり、輪島塗、九谷焼

 ジャパンテント2日目の18日、石川県内では工芸体験や名所見学など多彩なプログラムが展開され、留学生が日本の文化をたっぷりと味わった。金沢では郷土玩具「加賀八幡起上がり」や金箔(きんぱく)、能登、加賀では輪島塗や九谷焼に理解を深め、各地に息づく伝統の奥深さを感じ取った。

 金沢市の県観光物産館では加賀八幡起上がりの絵付け体験が行われ、留学生とホストファミリー23人が自分だけの縁起物を仕上げた。参加者は赤や青、緑など6色の絵の具で人形の表面に顔や模様をあしらった。

 タイ出身のチャンホン・ナチャライさん(25)=東京日本語教育センター=は「日本らしくて美しいデザインの工芸品だ。家に飾りたい」と笑顔を見せた。

 同市幸町の今井金箔で行われた金箔の体験では、留学生13人が黒い台紙に金箔を貼って模様を描き、タンブラーに取り付けて完成させた。加賀友禅染体験は加賀友禅会館で開かれ、参加者がハンカチに加賀五彩で好きな柄を表現した。

 輪島市河井町では留学生4人が輪島工房長屋で漆芸の加飾技法、蒔絵(まきえ)を学び、輪島塗パネルを作った。4人は輪島蒔絵業組合の新出昭宏組合長らに教わりながら、パネルに漆を浸した筆で花や動物を描き、金粉や銀粉をまいて鮮やかに浮かび上がらせた。

 中国出身の羅吉莉(らきり)さん(24)=城西大=は「漆で絵を描くのがとても難しかった」と話した。キリコ会館でキリコを担ぎ、能登の祭りも学んだ。

 かほく市では「今本ぶどう園」で留学生がブドウ狩りを楽しみ、羽咋市では勾玉(まがたま)作りが行われた。

 能美市九谷焼美術館「五彩館」では「ジャパンクタニ」や人間国宝の逸品に留学生から「すごい」と歓声が上がった。

輪島塗の蒔絵の技に触れる留学生やホストファミリー=18日午前10時、輪島市河井町の輪島工房長屋

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