甲子園8強に「非丸刈り」3校 野球離れ危惧、進む自由化

1回戦で上田西に勝利し、駆け出す土浦日大ナイン=甲子園

 兵庫県西宮市の甲子園球場で開催されている全国高校野球選手権大会は19日に準々決勝が行われる。勝ち残った8校のうち花巻東(岩手)土浦日大(茨城)慶応(神奈川)は選手が丸刈りではない。敗退した複数の学校も同様で、一律的だった球児のヘアスタイル事情が変わりつつある。

 米大リーグで活躍する大谷翔平らが巣立った花巻東は5年前に丸刈りのルールを廃止。当時、研修で渡米した佐々木洋監督は「外から日本を見て、伝統と習慣でやっていると気付いた。なぜ(丸刈りに)するのか。目的を考えてやめた」という。戦後間もない頃から自由だという慶応の森林貴彦監督も「逆になんで丸刈りなのか」と、その目的や効果に疑問の目を向ける。

 日本高校野球連盟によると2014年に17万人を超えた硬式野球部員数は、現在13万人未満と10年弱で約25%も減った。少子化もあるが、高野連関係者は一様の丸刈り頭が「何かを強制する印象を与えているかも」と野球離れの一因として危惧する。

2回戦でクラークに勝利し、声援に応える花巻東ナイン=甲子園

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