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2023年8月17日に公開された動画は……「共産党志位委員長の在任期間は長い?短い?」
昨日に引き続き、ゲストにJX通信社の米重克洋氏をお招きし、毎月行っている恒例の支持率調査に加えて調査した結果を発表します。
【このトピックのポイント】
・共産党委員長の在任期間は長い?支持政党別で見ると驚くべき傾向が……
・マイナンバーと保険証の一体化は「延長すべき」が3割。数字の裏に見える世論とは
・公費を使った海外視察、SNSで話題に
・著名人のSNS上での政治発言、世論はどう捉える?
在任23年、共産党志位委員長の在任期間は長い?
共産党の志位委員長が、まもなく就任から23年を迎えます。
回答者全体で見ると、「思う」がネットと電話それぞれ半数くらいになりますが、それとともに、ネットでは同じくらい「どちらともいえない」が目立ちます。
米重氏は、「長すぎるということが言われているので『長すぎるか』と聞かざるを得ない」という質問設計の難しさを言及しつつ、それらを含めて見ても、長いと思う人が多いという結果だと解説します。
支持政党ごとの集計では、異なる様子が見られました。共産党支持者に絞って集計した結果では……。
共産党の支持者でも、電話、ネットとも2割くらいが志位氏の在任期間を「長すぎる」と捉えているという一方で、「思わない」と言っている人のほうが多い、ということが見えてきます。
MC千葉佳織「全体と比べると思わないの比率が大きくなっていることから、志位委員長を応援しているお気持ちが出ているのかな、と思いつつ、『どちらともいえない』が意外と大きいな、もう少しどちらかに寄るのかなと思いましたが」
米重氏は、解釈が難しいところだと指摘します。
最近起こった志位委員長の在任期間に関する議論から、意見表明をする人に遠慮する人がいるかもしれないという可能性を指摘しつつ、次の顔について考えたり、志位氏が委員長であるという前提でそれ以上考えていない支持者もいるだろうことから、捉え方が難しいと考察します。
米重氏は、代表の在任期間が多い公明党の支持者のクロス集計では、7割が「長いと思う」が、「思わない」が8%くらいにとどまったというデータを紹介します。公明党と共産党の関係は歴史的に良くないことを反映しているかもしれず、他の政党支持層に比べてもさらに長いと思う人が多い、という傾向を紹介しました。
なお、立憲民主党支持層では「思う」が3割、「思わない」が2割と「ちょっと遠慮している感じ」(米重氏)の結果になっているということです。
MC千葉「政党ごとに分けてみると、政党の特徴がなんとなく垣間見えますね」
米重氏「共闘や競合という部分を含めた、政党同士の距離感、関係がにじみ出ているということは言えると思います」
マイナンバーカードと保険証の一体化、世論は?
内閣支持率にも大きな影響を及ぼしているのではないかとMC陣も注目するこの問題。「予定通り進めるべき」の2割に対し、「延期すべき」が3割で一番多い。「廃止の必要がない」すなわち保険証でいいという人が26%いました。
世論としては、岸田総理の表明を受けても保険証をトラブルなく使いたい気持ちのほうが優先されていて、マイナンバーカードの一体化でのメリットの享受にピンときていない人が多いという結果だと米重氏は分析します。
MC千葉「内閣支持率にも関係するこの問題、毎月の変動が気になります。先月との結果の違いで着眼すると?」
米重氏は、先月はまったく同じ質問をしていないので単純な比較は難しいとしながら、先月と今月の差分で見ると、廃止時期を延期しないという総理の表明がありながらも、なお延期すべきと考える人が多いということが大きなポイントだと指摘します。
公費を使った海外視察
MC千葉「SNSでかなり話題になりましたね?かなり長引いているなという印象を受けました」
半分以上が「役に立っていると思わない」という回答について、米重氏は、有権者の納得感のなさが数字の裏側にあると考察します。
海外視察にいった結果が政策に反映され、国民生活がよくなったというアウトプットが政治家から受け取れていないということと、国民が海外視察や研修の結果を、とくに議員外交ではわかりやすく知る機会がないと指摘します。
米重氏「過去の実績でいうと、総理大臣が北朝鮮に行って拉致被害者を取り返してきたら、支持率が20%上がったりするわけですよね」
議員には権力がないので示しにくい部分があること、それらの制約がありながら海外視察の意義や目的、効果を広く伝えることが重要というヒントになると示唆します。
スピーチライターであるMC千葉は、活動する政治家が数多くいると指摘しながら、「発信の現実性を考えると、政治家の人手不足でできないことがあるんじゃないかなと感じます」と述べます。
それに対し米重氏は、塩村あやか参院議員がフィリピンを視察をし、残留日本人の問題や遺骨の未収集の問題について視察し、内容をSNSで精力的に伝えていることを紹介。
成果をどう評価するかは有権者次第としながら、「何のために行ったのか」「どういう成果を出したのか」「誰とどんな話をして、何を考えたのか」などをどこまでやった上で有権者が理解するのか、ということではないかと示します。
MC千葉「大がかりなものをやらなくても、こまめにできるところからやっていくのは重要ですね」
米重氏「コミュニケーションを怠らないことに尽きるのかな、と」
政治界隈でポジティブな発信を考えるひとつのきっかけになりそうです。
有名人がSNSで政治についての意見を発信すること
MC千葉「『積極的に発信してほしい』が多いものの、『どちらともいえない』が多くありますが……」
米重氏は、「どちらともいえない」が多いことについて、明確な意見を持っている人が少ないのだろうということに加え、日本の文化や風習に照らすと、それほどハードルが低いことではないだろうと推察します。
MC千葉「有名な方が(政治について)発信していかないと、全員が考えるべきだよという意味合いで醸成されないですよね」
米重氏は「自分と政治的に立場が違う人がいることを許容できればいいんですけれども」といいながら、SNSなどで他人が違う意見を持っていることを許容できない雰囲気のやり取りが極まってくると、より発信しづらくなることを懸念します。
動画本編はこちら!
共産党委員長の在任期間は長い?共産党支持者はどう考えている?
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