「核抑止論」否定 湯崎知事の真意は? 単独インタビュー 広島

湯崎英彦知事「核抑止論者に問いたい。ウクライナの市民に対し責任を負えるのですか。すべての命に対し責任を負えるのですか」核保有国ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、これまでにない踏み込んだ発言だった。

今年の平和記念式典で湯崎知事は「核抑止論」を強く否定しました。式典後初めてホームテレビのカメラに語ったその胸の内とは。

Q「核抑止論者に問いたい」というあいさつこの表現を選んだ理由は

湯崎知事「ロシアの核の威嚇っていうのがあり、北朝鮮なんかの動きとか、あるいは中国が核兵器を増強するっていうような動きがある。なんとなくの流れで核抑止が必要じゃないかっていうふうに思っていらっしゃる方に対してまさに印象に残るようなメッセージ出していく必要があるということで(表現を選んだ)」

核兵器による脅しで、相手に攻撃を思いとどまらせる「核抑止論」の否定。知事のあいさつに対しSNSでもさまざまな声が…

「湯崎県知事のメッセージ、攻めてたな。」「あなたは、その責任が負えるのですか?が響きました」「理想だけでは国は守れない。現実をみてよ」

湯崎知事「決して理想ということではなくて抑止というのは破れる可能性が非常にあるわけなんですよね。それは思ったよりたくさんあって過去のアメリカの国防長官経験者がそういうことを言っている。核兵器、核抑止に依存する体制がいかに危険かということはもっときちんと認識した方がいい。むしろ(核抑止論には)危険性があるということが現実だと思う。(抑止で)この国を守れるという方が幻想だということ。これをやっぱり皆さんに理解してほしい」

一方、アメリカの核の傘に守られる日本。

岸田総理「現実を理想に結び付けるためのロードマップを示す、そのことが政治の責任として大変大きいものがあると思いますし、現実的で実践的な取り組みを継続強化していくことが求められている」

政府は「核を含む米国の拡大抑止は不可欠であり、機能している」と核抑止を肯定する姿勢を崩していない。

Q岸田総理の前で核抑止語る政府に対するメッセージ?

湯崎知事「総理も基本的な考え方として核廃絶というところを目指していかなければいけないというところはあると思う。(政府は)核廃絶に向けての前段のステップのところにすごいフォーカスされてるが、ただそれだけでは廃絶はされていかないので、最後は核抑止論と正面から向かい合って新しいその安全保障、核以外での抑止の仕組み、安全保障の枠組みを考えていかなければいけないということでそれについては政府としてもより積極的に取り組んでほしいと思う」

被爆100年を迎える2045年までの「核廃絶」を目指す湯崎知事。その実現に必要なのはいったい何なのか。

湯崎知事「各国首脳の意思ですよね。(G7サミットで)各国首脳が資料館に言ったり被爆者証言を聞くことによって個人的にあインパクトは大きなものがあったと思います。それをこれをやはりもっともっと進めていくのが必要なことだし重要なことだと思います。それが最後核兵器の廃絶につながっていくことだと思います」

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