らんまん第20週振りかえり・キレンゲショウマ

草花をこよなく愛する主人公が、やがて植物学者となって天真爛漫に世を駆け抜けていく姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。8月19日は、「キレンゲショウマ」と題する第20週(8月14日〜18日放送)を振りかえる。

虎徹から届いた植物標本を驚いた表情で見つめる万太郎(神木隆之介)(C)NHK

高知での植物採取中に出会った少年・虎鉄(寺田心)からの手紙をきっかけに、主人公・万太郎(神木隆之介)のもとには土佐の小学校教師から植物について尋ねる手紙と標本が届くようになる。その様子を見た丈之助(山脇辰哉)から、「標本を送ってくれたなら、草花の名前を教えます」という内容で全国に向けて新聞広告を掲載するよう助言をもらった万太郎は、さっそく準備に取り掛かる。

一方で、万太郎一家が暮らす十徳長屋の住民たちにも変化が訪れ、それぞれの道を歩んでいく。講師の仕事を得た丈之助は、妻を迎え新居に移る。福治(池田鉄洋)とゆう(山谷花純)は一緒になり、娘の小春(山本花帆)は女中奉公に出ることになる。そして倉木(大東駿介)は、運送の仕事に就くことが決まり、家族で社員寮へと越していくのだった。

それから3年の月日が経つ。万太郎一家では、妻・寿恵子(浜辺美波)が幼い子どもを2人育てながら、お腹に授かった新たな命がまもなく生まれようとしていた。そして万太郎は、新聞広告を機に全国の植物愛好家たちと手紙のやりとりをするようになっていた。

槙野家を訪れた借金取りの磯部(六平直政)と渡り合う寿恵子(浜辺美波)(C)NHK

ある日、友人の波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)が長屋を訪れる。再会を喜ぶ万太郎だったが、そこへ借金取りの磯部(六平直政)がやってくる。万太郎の研究費で膨れ上がった借金の返済を迫る磯部は、借金の足しとして貴重な印刷機を売り飛ばそうとする。

しかし、万太郎が「我が家の軍師は寿恵ちゃん」と称する寿恵子は、言葉巧みに万太郎の研究の重要性を熱弁。毅然とした態度で磯部と渡り合う、見事な手腕を見せる。その結果、印刷機を守っただけでなく、追加で融資を受けることになり、さらには図録まで買わせてしまうのだった。

そんなある日、万太郎たちが住む十徳長屋に、アメリカから帰国した旧友・佑一郎(中村蒼)が訪ねてくる。無事の帰国を喜ぶ万太郎と寿恵子に、佑一郎はアメリカで目の当たりにした激しい人種差別を語る。そして、草花に優劣をつけない万太郎の姿勢に改めて感銘を受けたという佑一郎は、「この先もずっと、変わりなよ」と万太郎に告げるのだった。

一方、東京大学の田邊(要潤)は、恩人の森有礼(橋本さとし)が暗殺された事件に心を痛めていた。さらにその矢先、自身が校長を務めていた女学校が突如廃止される。恩師の死と女学校の廃止にショックを受けた田邊は、やがて酒におぼれ始める。

失意の底にいた田邊だったが、妻・聡子(中田青渚)の言葉に背中を押され、植物学の教授として植物の研究に本腰を入れるようになる。夏、学生たちと植物採集旅行へ出かけた田邊は、そこである花と出会う。

生き生きとした表情で発見した花について語る田邊(要潤)(C)NHK

発見した花が新種かもしれないと生き生きと研究する田邊の姿に、大窪(今野浩喜)、波多野、野宮(亀田佳明)ら植物学教室の面々も熱を感じる。同じ頃、万太郎のもとに虎鉄から植物標本が届く。それはなんと、田邊が巡り合ったのと同じ花で・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、植物と情熱的に向き合い続ける植物学者とその妻の波乱万丈な生涯の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

© 株式会社京阪神エルマガジン社