ベゼッチがトップでダイレクトQ2進出。ホンダ勢は新空力パーツ導入も、最上位は13番手のM.マルケス/第10戦オーストリアGP

 8月18日、2023MotoGP第10戦オーストリアGPの金曜日セッションがレッドブル・リンクで行われ、MotoGPクラスはプラクティスでマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がトップでダイレクト予選Q2進出を決めた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は18番手となり、予選はQ1からのアタックとなる。

 今大会は、第6戦イタリアGPのスプリントレースで右足を骨折したアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)は、ピットに姿を見せたが、引き続き欠場となっており、前戦に引き続きイケル・レクオーナが代役を務めている。そして、ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)がワイルドカードで参戦している。

 午前に行われたフリー走行1回目は気温24度、路面温度26度のドライコンディションで始まった。開始早々から多くのライダーがタイムを計測し始めるなか、9コーナーのブレーキングでアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)のフロントタイヤ付近から白煙を上げる姿が映像で捉えられていた。そのあとコースサイドにマシンを止める姿も見られたが、ピットに戻り修復作業が行われる。

 序盤にトップタイムをマークしたのは、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)だったが、15分経過した頃にファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が1分30秒237をマークし、トップタイムを塗り替える。その後、2コーナーのシケインでアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)が転倒を喫している。

 残り15分を切る頃、トップは依然変わらずクアルタラロだったが、3番手には序盤にマシントラブルに見舞われていたアレックス・マルケスが、1分30秒286で3番手につける。さらに、残り時間5分を切ると、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が4コーナーでオーバーランし、転倒を喫してしまう。

 そしてセッション終了間際には、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)が1分29秒838を叩き出し、トップタイムを塗り替えた。フロントタイヤにソフトタイヤを選択するライダーが多いなか、ザルコは中盤からずっとフロントにハードタイヤを装着していた。

 2番手にはクアルタラロ、3番手にはビニャーレスが並んだ。中上は序盤にマークしたタイムを更新できず、7番手で終えている。転倒を喫しているマルク・マルケスは18番手となった。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP

 午後に行われたプラクティスは、サマーブレイク明けの第9戦イギリスGPから予選Q1、Q2を分ける唯一のセッションとして位置付けられている。予選Q1にダイレクト進出を果たすためには、このセッションでトップ10以内に入らなければならない。

 やや雲間が広がる天候となったが、気温27度、路面温度32度のドライコンディションでスタートした。また、Moto2クラスのFP2中に赤旗中断があったため、約9分遅れでMotoGPクラスのプラクティスが開始となった。

 午前のFP1ではザルコのみだったが、プラクティスでは序盤から1分29秒台に突入させるライダーが多く見られた。そんななかマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が1分29秒450をマークして早々にトップに立つ。

 また、午前のFP1でフロントタイヤにはミディアムかソフトの選択が大半を占めていたが、午後になるとほぼ全てのライダーがフロントにハードタイヤを選択していた。そんななか開始から20分が経過した頃にフロント、リヤともにソフトタイヤを履いたビニャーレスが1分29秒075をマークし、トップタイムを塗り替える。

 30分が経過した頃、前戦の決勝レースで優勝を果たしたアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が2番手に浮上し、アプリリアがワン・ツー体制となる。しかしその後、雨を知らせるレッドクロスが振られる展開となるが、走行には影響のないほどの雨だった。

 残り10分を切ると、ここでフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が1分28秒821でトップに浮上する。そして、午前には転倒があったマルク・マルケスが5番手につける。

 さらに残り時間5分を切ると、さらにタイム更新を図るライダーが多く現れ始める。開始早々にトップに立っていたベゼッチが、1分28秒533で再びトップに浮上する。その後、ベゼッチのタイムを上回るライダーは現れず、トップでダイレクト予選Q2進出を決めた。

 2番手にビニャーレス、3番手にはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、4番手にはブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が並んだ。FP1トップで終えたザルコ、そして2番手につけていたクアルタラロもトップ10入りし、ダイレクトQ2進出を果たしている。

 また、ホンダ勢の最上位は13番手のマルク・マルケスとなっており、日本勢の中上を含む全4台が予選Q1からのアタックとなる。

© 株式会社三栄