<金口木舌>髪型自由な高校球児の爽やかさ

 今日、甲子園で沖縄尚学が慶応(神奈川)と4強をかけて対戦する。これまでの2試合と同じように、堅い守りと勝負強い打撃、何よりひたむきなプレーという沖尚らしさを発揮してほしい

▼対戦相手の慶応は、ナインの髪が長く「高校球児らしくない」ことも話題となっている。浜松開誠館(静岡)なども、プレーとともに自由な髪形が印象に残った

▼長髪が話題になった背景には、「球児は丸刈り」という高校野球の「常識」があるようだ。といっても、中継で見た丸刈りでない選手に違和感は覚えなかった

▼3年連続県大会1回戦負けを喫した球児だった当方も、夏の大会前にはなんとなく丸刈りにしていた。強制はされていないが、さりとて完全な自由意志だったとも言いがたい。今考えれば、柔らかな同調圧力とも言うべき「空気」に無自覚に従っていた

▼もちろん、丸刈り自体が悪いのではない。長髪であってもいいと思う。高校野球が教育の一環ならば、選手本人が自由に髪形を選ぶことを大人たちが尊重する姿勢を見せることが大事なのではないか。

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