若狭高浜漁協が福井県高浜町塩土に新築移転を進めていた荷さばき施設が7月に供用開始し、高浜漁港エリア一帯の整備が完了した。隣接するシーフードマーケットや加工販売所と合わせ、高浜の食や体験を満喫できる観光スポット「若狭高浜たらふく市場」として8月19日にグランドオープンする。
若狭高浜たらふく市場は、荷さばき施設、シーフードマーケット「UMIKARA（うみから）」、地元海産物の加工販売所が集まった塩土エリアの総称。生産から加工・販売までを手掛ける「漁業の6次産業化」を目的に、町などが構想から約10年かけ整備を進めてきた。
完成した荷さばき施設は、鉄骨2階建て。延べ床面積約1728平方メートル、敷地面積約3464平方メートル。大型定置網漁船が直接施設に水揚げできるようになり、観光客らが水揚げや競りを見学できるようにした。靴底消毒槽の設置のほか、搬入口を密閉する扉を設けるなど衛生管理機能を徹底。紫外線殺菌水を使った魚の洗浄を行い、魚の高付加価値化につなげている。
施設に隣接するうみからや加工販売所では、地魚を使った食の提供や未利用魚を活用した加工品の販売などを行っており、塩土エリア一帯で漁業振興を図っていく。町の担当者は「高浜の人や食、雇用などが交わりにぎわいが生まれる“漁交”にしていきたい」と話している。
19日には竣工式や記念イベントを行う。
19、20日に「たらふく地魚フェス」
若狭高浜たらふく市場のオープン記念イベント「たらふく地魚フェス」が19、20の両日、高浜町塩土の高浜漁港周辺で開かれる。水産加工品の販売や競り体験、遊覧船の運航などがある。
嶺南地域の水産加工品を販売する「若狭のええ魚（とっと）市」、魚を競り落として購入できる競り体験、シーフードマーケット「UMIKARA（うみから）」を出発し明鏡洞などを巡る遊覧船や遊漁船の運航など多彩なイベントが行われる。町内外の中学・高校吹奏楽部やダンススクールなどによる音楽ステージもある。
イベントは19日が午前10時～午後4時、20日が午前9時～午後2時。
