日韓首脳、処理水議論せず 尹氏「IAEAを信頼」

韓国の尹錫悦大統領(左端)と会談する岸田首相(右端)=18日、米ワシントン近郊・キャンプデービッド(内閣広報室提供・共同)

 【ワシントン共同】岸田文雄首相は18日午後(日本時間19日未明)、米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで、韓国の尹錫悦大統領と会談した。韓国内で反発が根強い東京電力福島第1原発処理水の海洋放出は議題にならなかった。尹氏は会談後の記者会見で、放出計画が国際的な安全基準に合致するとした国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を巡り「検証結果を信頼している」と述べた。

 両首脳の会談は今年だけで5回目。首脳同士の相互訪問「シャトル外交」も再開させ、元徴用工訴訟問題などで悪化していた日韓関係は急速に改善している。

 尹氏は会見で「処理水問題は議題にならなかった」と明言。人類の健康と安全を最優先に考慮すべきだとした上で「科学に基づく透明な過程で処理されなければならない」と強調した。

 両首脳は会談で、今後も国際会議の機会などを利用して意思疎通を続ける意向を確認。日韓間で幅広い対話が活発化していることを歓迎した。外務次官級の「戦略対話」を今年秋に開催する方針でも一致した。会談時間は約20分間だった。

日米韓首脳会談を前に、記念撮影に向かう岸田首相(右)と尹錫悦韓国大統領=18日、ワシントン近郊・キャンプデービッド(共同)

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