練習場で球を打てず 松山英樹はシーズンに幕「原因を作ったのも自分自身」

スタート前に棄権した松山英樹。言葉を選んで慎重に話した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 2日目(18日)◇オリンピアフィールズCC(イリノイ州)◇7366yd(パー70)

「無理をすればできたかもしれないけど、結果は望めなかったですし」。言葉を選びながら松山英樹は静かに話した。10年連続での“トップ30”進出を目指した今週、棄権という悔しい結果に悔しさをにじませた。

フェデックスカップランキング上位30人が進出する次週のプレーオフ最終戦「ツアー選手権」(ジョージア州イーストレイクGC)には、昨年まで9年連続で出場してきた。今年はランキング47位で迎えた第2戦、第2ラウンドスタート前に背中の痛みのため棄権を決めた。

朝の練習場、チームと相談を続けた(撮影/田辺安啓(JJ))

「きのう終わって腰がおかしかった」と違和感は初日から抱えていた。第1ラウンドを1オーバーの30位で終えたあと、ショット練習場に入ったが球をほとんど打つことなく会場を去った。2日目のスタートは午後1時。朝のウォーミングアップ中に背中の痛みが出たが、「(試合を)やるつもりで来た」と午前11時過ぎに会場入りした。

パッティング練習とアプローチを行った後、向かったドライビングレンジでは時折背筋を伸ばしながら顔をしかめ、クラブを構えてはやめ…の繰り返し。サポートスタッフと相談した後に棄権を決めた。

2時間前からパッティング練習を行った(撮影/田辺安啓(JJ))

「無理をして長引かせたこともあるので、その怖さも持っていたので、やめました」と今後を考えての決断だった。ことし3月「アーノルド・パーマー招待」では首の痛みを抱えたまま本戦をプレーし、3週後の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」では3日目のマッチ出場を取りやめるなど体の不調に苦しんだ。

トップ30に出場が限られるプレーオフ最終戦への10年連続出場は叶わず、これで2022-23年シーズンが終了する。「10年、目指していたんですけど。優勝もできなかったし悔しい思いもあります」と体の痛みに悩まされた今季を振り返った。

悔しい形でシーズンに幕を閉じた(撮影/田辺安啓(JJ))

「この原因を作ったのも自分自身。この2年はケガでうまくいかなかったので、オフでしっかりやっていきたいなと思います」と言葉を残し、キャリアで初めてプレーオフ最終戦を前に一年に幕を閉じた。(イリノイ州オリンピアフィールズ/谷口愛純)

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