〝超新星〟天咲光由 安納サオリに闘志全開で善戦「自分はアイドルではなくプロレスラー」

スターダムの若手主体興行「NEW BLOOD 10」が18日、東京・品川のザ・グランドホールで開催された。〝超新星〟天咲光由は〝絶対不屈彼女〟安納サオリと対戦。11分25秒、タンタンドルで3カウントを許したものの、格上との一騎打ちを成長の糧とする覚悟を示した。

マットに沈む天咲は「待ってください」とリングを去ろうとする安納を呼び止めた。そして「安納さんと試合できてホンマに良かった。ありがとう」と関西弁のアクセントで感謝。勝ち名乗りを受けた安納の「アンタから関西魂感じたわ。ありがとう、またしよう」というマイクに反応した。悔しさにゆがむ表情に飛躍への誓いが宿った。

ドロップキック連発とともに試合開始。天咲は先制するも安納のストピング連打からの首攻めで劣勢に。安納から「さあ来いや」「そんなもんか」と煽られる度、強烈なエルボー、馬乗りからのパンチ連打で呼応した。最後はジャーマン2連発からのタンタンドルに屈した。それでもポストを利用して体を預けるDDT、ハンマーロックからのDDTを新技として披露するなど、黒星の中でも成果は残した。

ジュリア、中野たむ、朱里、渡辺桃、AZMに挑んだ五番勝負の番外戦として、自ら志願した一騎打ち。滋賀出身の安納に対し、京都出身の天咲は、関西魂を共鳴させた熱戦を終え「クールだと思っていたが、すごく熱い人だった。負けないくらい熱くなろうとした点は見せられたと思うが、相手の強さ、引き出しの多さを痛感しました」と悔しがった。スターダムに所属しない格上との一戦を「最初から遠慮なくいった。スターダムでは見ない技や間は勉強になった」と振り返った。

安納は「あの子はかわいさが武器じゃない。性格が武器なんじゃないかなって私は思います。今日あの子からすごい希望をもらった」とコメント。天咲は外野からの声を思い起こしつつ「顔を重視されたと言われたりしてきた。でも五番勝負のジュリアさん、中野たむさんからは『気が強い』『肝が据わっている』と言ってもらったので、そこは伸ばしていきたい」と意気込んだ。昨年3月にデビュー後、雑誌グラビアに取り上げられるなどルックス面で注目を集めた。「ありがたいんですけど、自分はアイドルではなくプロレスラー。自分の外見を超える中身を充実させていきたい」と誓った。

五番勝負、番外戦と6試合全てはね返されたが、壁は高い方が乗り越える価値がある。「幼い頃から感情が出にくいタイプだったが、それではお客さんに伝わらない。攻められた時に負けたくない気持ちが強くて、感情を爆発させたり、引き出せるようになった。試合をしやすくなった」と、胸を借り続けた成果を口にした。

技の精度など、この日の試合でも露呈した課題を自覚する。「感情に任せるだけでなく、研究を続けたい。次はNEW BLOODタッグのベルト挑戦も待っているので、それに向けて日々練習して努力を重ねたい」。21歳のホープは表情を緩めることなく、未来に視線を向けた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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