茨城・高萩で街路樹18本枯死 県が被害届 イチョウ根元に穴

不自然な枯れ方で伐採された街路樹のイチョウ=高萩市上手綱

茨城県高萩市上手綱の県道沿いに植えられていた街路樹のイチョウ18本が不自然な枯れ方をしたとして、道路を管理する県高萩工事事務所が県警高萩署に被害届を提出していたことが18日、分かった。いずれも根元付近に直径約1センチの穴が開けられていた。同署は、器物損壊容疑を視野に枯死の経緯などを調べている。

同事務所などによると、イチョウは、国道6号と常磐自動車道高萩インターチェンジを結ぶ県道「高萩インター線」(約5.3キロ)の沿道に植えられていた。このうち約200メートル区間に植えられた18本が枯死。それぞれの根元に1カ所ずつ、ドリルで開けたような穴があった。

同事務所は4月、市民の通報を受けて被害を確認し、同署へ被害届を提出。枯死したイチョウは倒れる可能性があったため、6月下旬までに18本を伐採した。

街路樹のイチョウが不自然に枯れた事案はこれまでなく、同事務所は「極めてまれなケース」としている。2月の剪定(せんてい)作業では異常がなかった。

イチョウは定期的に枝を落としているが、近所の70代女性によると、時期によっては枝が左右に広がり、自転車や歩行者がドライバーから見えづらいことがあるという。女性は「イチョウは寿命が長いと聞いていたので、何があったのだろうと不思議に思っていた」と話した。

同事務所の長山公信所長は、イチョウの枯死について「遺憾に思う。やった人がいれば名乗り出てほしい」と述べた。

© 株式会社茨城新聞社