通年観光で市長と対話 初回は直江津 海と鉄道でアイデアなど

通年観光について中川市長と話そうと約20人の市民が集まった

上越市の中川幹太市長が推進する「通年観光」の実現に関し、重点エリアとする直江津、春日山、高田の資源の生かし方を市民と議論する「対話集会」が17日、始まった。同日はレインボーセンター(同市中央1)で、直江津の「海」「鉄道」について議論やアイデア出しが行われた。28日は春日山エリアについて上越文化会館で、30日は高田エリアについて福祉交流プラザ(同市寺町2)で集会が開かれる。

同市の観光客は、観桜会や海水浴でにぎわう4、7、8月の合計が年間合計の50%以上を占める。それ以外の月の観光客を、コンテンツの充実などで底上げしようというのが「通年観光」だ。特に歴史的観光資源が残る高田、直江津、春日山を早急に整備しようというのが市のプランだ。

中川市長は集まった市民約20人に対し、市立水族博物館「うみがたり」の来訪客が回遊できるよう、海を楽しむことができる仕掛けや飲食サービスの充実、えちごトキめき鉄道が運営する「D51レールパーク」との連携など自身の構想を披露。整備を検討している鉄道博物館については、個人的な構想とした上で「直江津駅南に、鉄道ファンや家族連れが体験できる場所を整備したい」と述べた。

市民からは「雁木通りでは観光客は来ない。春日山は山城だけだ。通年で人を呼び込むことができるのは直江津だけ。確実に旅行者が1泊できるような場所にしていきたい」「うみがたりを訪れた観光客や修学旅行生に気持ちよく過ごしてもらうためには、直江津屋台会館の整備、観光物産センターの設置は不可欠だ」といった直江津への投資を求める意見、福島県いわき市の「アクアマリンふくしま」周辺の観光設備や京浜急行が取り組む乗車券と飲食チケットをセットにした企画切符の発行、上越市の観光情報が網羅されたスマートフォンアプリの開発など、他県市の事例などを挙げる声もあった。

◇アイデア歓迎 積極的に採用 中川幹太市長 市民の声に期待

中川市長は市民からのアイデアを歓迎。「(自身が)いいなと思ったものは採用していく。やる気を出してもらえれば(意見が)採用される」として、市民から多くの意見、アイデアが出ることを期待した。

参加した同市の不動産業、小谷茂さんは「市長が本気で通年観光に取り組みたいことは分かった。ただ、はるか昔から流通拠点として続いてきたのが直江津。それを観光の街にしていくのは、相当の苦労があると思う」と話していた。

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