サンコンさん「日本を愛しています。自分の国を守って!」日本人に呼びかける

タレントで駐日ギニア共和国大使館顧問のオスマン・サンコン(74)が18日、都内のアップリンク吉祥寺でドキュメンタリー映画「プレジデント」(カミラ・ニールセン監督)のトークショーを行った。

2017年の軍事クーデターで、独裁者ロバート・ムガベ大統領が辞任し、エメルソン・ムナンガグワを暫定大統領に任命したジンバブエ共和国。翌年に行われた大統領選挙で、現職のムナンガグワに挑戦する野党連合の党首ネルソン・チャミサの姿を通して記録された今作。同じアフリカ出身のサンコンが映画の感想、作品同様に長期政権後のクーデターを経て軍事政権下となったギニアの出身者として、日本人にメッセージを送った。

上映後に登壇したサンコンは「日本とアフリカは離れているから、あまり情報が入らない。」と、今作の日本公開に喜びを示した。

劇中、第3代大統領に就任した与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF党)の代表ムナンガグワは「平和で信用できる公正な選挙を行う」と公言するが、サンコンは「民主主義と言っているのは嘘!」と一刀両断。ジンバブエでは23日に新たな大統領選が行われるが、今回も本作と同じく、現職のムナンガグワとチャミサの一騎討ちとなる。「大統領というのは、オバマのように2期までで退いて、アドバイザーになればいい」と話し「僕はギニア大使館の顧問。田中角栄の時代の昭和47年に日本で大使館を作ったのは僕」と驚きのエピソードも飛び出した。

ジンバブエの前回の大統領選で殺害予告、銃声、暴力的な展開になる様子が克明に描かれている今作。サンコンは「一番大事なのは平和。何かあっても、お互い話しあい、コミュニケーション!」と訴えた。そして「日本を愛しています。自分の国(民主主義)を守って!」と観客に呼びかけていた。

トークショーを行った汐月しゅう、オスマン・サンコン=都内
映画「プレジデント」ポスタービジュアル © Final Cut for Real, Louverture Films & Sant & Usant
映画「プレジデント」チラシ裏 © Final Cut for Real, Louverture Films & Sant & Usant

(よろず~ニュース編集部)

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