英議員、次期総選挙不出馬相次ぐ 政治に失望、ネットの誹謗で疲弊

病院を訪問したスナク英首相(中央)=15日、英南部ミルトン・ケインズ(AP=共同)

 【ロンドン共同】2025年1月までに実施される英国の次期総選挙への不出馬表明が相次いでいる。不祥事が続き混乱する政治への失望や、インターネット上での誹謗中傷によるストレスなどが原因とされ、特に40代以下の若手の離職が顕著になっている。

 英紙サンデー・タイムズは7月「誰も議員になりたがらない理由」と題して、多くの議員が政界を離れていく現状を報じた。同紙によると、下院議員(定数650)のうち既に68人の議員が次期総選挙に出馬しない意向を表明。与党保守党が最多の43人で、最大野党の労働党も13人だった。

 スナク首相が率いる保守党は昨年以降、ジョンソン元首相やトラス前首相が次々と辞任。今年4月にはラーブ副首相もパワハラ疑惑で辞任するなど混乱が続き、支持率は20%台と低迷する。同紙は「リーダーシップへの幻滅」で離党者が増える可能性もあると指摘。次期総選挙では、10年から政権を握る保守党の下野も現実味を帯びる。

 若手議員らにとって、ソーシャルメディアによるストレスも引退を選ぶ理由とされる。罵詈雑言を浴びせられ、自身や家族の身に危険が及ぶと感じた議員もいる。

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