犬に『氷』を与えすぎるのはダメ!?氷食症になっている2つのサインと予防対策とは

犬も氷食症になるの?

そもそもみなさんは「氷食症」という病気をご存じでしょうか。文字通り氷食症とは、氷を無性に食べたくなる疾患のことをいいます。人間の氷食症の場合、鉄不足や貧血、ストレスなどが大きな原因と考えられています。

そんな氷食症ですが、犬もかかることがあるといわれています。犬が氷食症になる原因ははっきりとはわかっていませんが、人間と同様に鉄不足や貧血によってなるケースもあるようです。

犬が氷食症になっているサイン

では、犬が「氷食症」になっているサインにはどのようなものがあるのでしょうか。

1.異常に氷を欲しがる

「氷を欲しがってひどく要求鳴きをする」「散歩から帰ってきたら、冷蔵庫の前で氷がもらえるまで動かない」など、犬が氷を異常に欲しがる場合、氷食症になっている可能性があります。

人間は氷食症になると、無性に氷を食べたくなります。それと同様に、犬も氷食症になると氷が食べたくて仕方がない状態になりますが、犬自身は氷を準備できないので飼い主さんに出してもらおうと必死になるのです。

しかし、犬が氷を食べ過ぎてしまうと、下痢や嘔吐になってしまう場合も。愛犬の氷への依存度や欲求が異常だと感じられる場合は、何らかの対策や動物病院への受診が必要となるでしょう。

2.季節を問わず氷を欲しがる

暑い夏のお散歩の後、クールダウンのために氷や氷の入ったお水を与えると、犬が喜んで食べるというパターンは多いかと思います。

しかし一旦氷食症になると、そのような気温の暑さに関係なく氷を欲するようになります。そのため、季節を問わずに氷を欲しがるようになることがあります。

気温がある程度下がってきて、クールダウンの必要もないのに氷を食べないと落ち着かない様子だったり、ストレスを感じたりしているようなら、愛犬は氷食症かもしれません。

犬の氷食症予防対策とは

では、愛犬を氷食症から守るやめには、どのような予防対策をすれば良いのでしょうか。

氷を習慣的に与えない

愛犬を氷食症にしないためにも、氷を習慣的に与えるのはやめましょう。

飼い主さんが散歩の後やちょっとしたおやつがわりにいつも同じタイミングで与えているために、犬は氷をもらえないと落ち着かなくなるというパターンが考えられるからです。

もちろん特別暑い日や水分をもっと取って欲しいときなどに、氷を1個か2個与えるくらいなら問題ありません。

愛犬の氷に対する依存度を今以上にあげないためにも、愛犬に毎日毎日氷を与えるのはやめにして、必要な時だけ愛犬の様子を見ながら量や頻度をコントロールしてあげてくださいね。

エアコン、ひんやりグッズを活用する

氷食症の予防対策として、氷以外のクールダウンの方法を取り入れるのもおすすめです。

犬は自身で氷を作ってそれを冷凍庫から取り出したり、お店で買ってきたりして食べるということができませんよね。ある意味、犬が氷食症になるのは、人間に氷を与えられるからとも考えられるでしょう。

ただ、散歩の後など犬が暑がっている場合はすぐに体を冷やしてあげたくて、ついつい氷をあげたくなることもあるかもしれません。

そんなときは氷ではなく冷蔵庫で冷やした水を与えたり、エアコンで室温を下げたり、ひんやりグッズを活用したりするなど、別のクールダウン方法を試してみてはいかがでしょうか。

受診が必要なことも

先ほどご紹介したように、犬が氷食症になっている場合、貧血や鉄不足の可能性があります。あまりにも犬が氷を欲しがるようなら、1度動物病院で検査してもらい、貧血や鉄不足になっていたら治療を受ける必要があるでしょう。

また氷を食べ過ぎて、下痢や嘔吐になってしまった場合、症状が続いて犬がぐったりしている、あるいは脱水症状になっているようならすみやかに動物病院で診てもらってください。

まとめ

今回は犬が氷食症になっているサインと、予防対策についてご紹介しました。

犬が氷にどう反応するかは個体差がかなりあるので、与えるのか与えないのか、与える量や頻度を飼い主さんが管理することが大切です。

氷食症には別の病気が隠れている可能性もありましたね。他のクールダウン方法も活用しつつ、それでもあまりに愛犬が氷を欲しがるようなら、かかりつけの獣医師さんに相談してみてください。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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