「ビリだけは避けたい」。ランキング首位の宮田莉朋、ライバルの先行許すも“超苦手のもてぎ”でのQ2進出に安堵

 モビリティリゾートもてぎで行われている2023全日本スーパーフォーミュラ選手権の第7戦。気温30度を超える真夏日の中で行われた公式予選では、野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得し、チームメイトのリアム・ローソンが3番手につけた。

 その一方で、ランキング首位でもてぎラウンドに入った宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)は、Q1・Bグループで2番手通過を果たすも、Q2では上位に食い込めず8番手に終わった。野尻がランキング3位、そしてローソンが2位というなかでのチャンピオン争いを考えると、ライバルたちの先行を許した形だが、宮田本人はこのグリッドをポジティブに捉えている様子だった。

■「あまりランキングは気にしていない」

 というのも、昨シーズンは各レースで安定して上位につけていた宮田が、“内容面でワースト”というのが第8戦もてぎ。予選はQ1敗退で19番手からスタートし、決勝も追い上げが叶わず14位に終わっていた。

「もてぎは、昨年(第8戦)まじめに走ってビリに近い状態だったので、今週は『ビリだけは避けたい』と思って乗っていました」と宮田。昨年の良くないイメージが残ったままレースウイークを迎えたが、チームとともに取り組んできたことが功を奏し、トップこそ獲れなかったが、シングルグリッドは獲得できた。

「フリー走行は悪くなかったですけど、良いと言う感じでもなかったです。タイム差なりに(パフォーマンスの)差はあるなと思っていました。予選ではQ2に進出できたことだけでもハッピーでした。Q1からアジャストして臨みました。(乗っている感覚的に)あのタイム差なのかなという感じがしました。6番手くらいには入りたかったですけど、Q2に行けただけで何よりですし、Q1からQ2に向けてタイムアップできたので、良かったです」

 予選の内容については満足ではないものの手応えを感じた様子だったが、冒頭でも触れた通り、予選順位で野尻が3ポイント、ローソンが1ポイントを獲得。ドライバーズランキングでは宮田とローソンが86ポイントで同点に並んだ。

 だが当の宮田は「あまりランキングのことは気にしていないです」とサッパリした様子。ここからのタイトル争いは熾烈な戦いになり、現状ではポイントでリードしていてもアドバンテージはほとんどないという状況を理解しているようだった。

「正直チャンピオン争いはしているのですが、このもてぎに関してはチャンピオン争いのポジションに居てはいけないのではないかと思うくらい、レベルが低いところにいました。その中でQ2に行けるところまで来られたことが進歩かなと思います」

「(最終2戦が行われる)鈴鹿はもうちょっと戦えそうだということは分かっていますけど、壁はかなり高いなという印象です。チャンピオンを獲れることがベストですけど……今は頑張りますとしか言えないです」

 決勝についても「もてぎで速いというのが一度もなくて、ベースとなるセットアップもないし、決勝に向けてどうするべきかというところも手探りな状況かなという印象です」と宮田。鈴鹿での最終決戦に備えるためにも、このもてぎで1ポイントでも多く獲っておきたいところだ。

2023スーパーフォーミュラ第7戦もてぎ 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

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