芳賀でLRT歓迎ムード高まる 道の駅、ナシ使った食に注力 発信力高め観光客呼び込みへ

LRT開業に向けて、地元産ナシを使って開発した新メニュー

 【芳賀】町と宇都宮市を結ぶ次世代型路面電車(LRT)が26日に開業する。来年3月に町制70周年を迎える町にとっては念願となる初めての電車。歴史的な開業日に向けて、タイミング良く旬の時季に入った町最大の特産品ナシなどの魅力を伝えつつ、町内のLRT歓迎ムードは高まっている。

 LRT開業に合わせ、祖母井の「道の駅はが」はナシを前面に押し出した食に力を入れる。施設内の芳賀温泉ロマンの湯は、地元産をふんだんに使ったコースを新たに考案。年間45万人が訪れる観光の拠点で、来場者の関心が高い食の地元色を一層強化していく。

 同温泉は新たに「LRTにっこり梨カレーコース」「梨づくしコース」(ともに2千円)のほか、「宴会にっこりプラン」(3千円)などを用意し、5日からレストランで提供を始めた。

 コースに応じてナシの果汁、ピューレ、果実を用いたカレーやサラダ、ギョーザ、冷麺、ポークステーキ、天ぷら、リキュール、ジュース、デザートなどを組み合わせる。料理長の金鋪洋子(かなしきようこ)さん(67)は「どの料理も職員一同で時間をかけて考え、試食を繰り返し完成した」と胸を張る。

 物産館の加工品にも力を注ぎ、「にっこり」を使ったジャム(580円)やドレッシング(480円)、ゼリー(280円)の新商品も作った。宇都宮大が開発したコメ「ゆうだい21」を栽培する農家も町内にあり、積極的に活用する。LRT開業に合わせ、イベントで使うキッチンカーも導入する。

 道の駅運営会社の社長を務める大関一雄(おおぜきかずお)町長は「来場者は芳賀のいい物を求めている。LRTは町が注目される大きなチャンスで、道の駅の価値をさらに高めたい」と強調する。

 道の駅は全国各地で地域の魅力を凝縮した顔となっている。道の駅はがも温泉や地域の食で発信力を高め、LRTを通勤・通学の手段だけではなく、観光客を呼び込む足としての利用拡大を狙っている。

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