夏の甲子園 茨城・土浦日大4強 「気持ち届いた」 生徒、保護者、卒業生 声援で後押し

4強入りが決まり、肩を組んで校歌を斉唱する土浦日大の生徒=甲子園球場

茨城県勢として20年ぶりに夏の甲子園ベスト4進出を決めた土浦日大。八戸学院光星(青森)と激突した19日の準々決勝では生徒、保護者、卒業生による「三位一体」の声援が一塁側アルプス席に響き渡り、初の準決勝進出を後押しした。生徒たちは試合後、肩を組んで校歌を斉唱し、「気持ちが届いた」と喜び合った。

逆転勝ちした3回戦の専大松戸(千葉)戦は、台風7号の影響で東海道・山陽新幹線が一時運転を見合わせ、保護者らが会場入りできないトラブルに見舞われた土浦日大。鈴木大和選手(3年)の父、浩樹さん(55)もその一人で、この日の試合序盤に「(3回戦を)勝ってくれたからこそ、もう一度ここに来られた」とかみしめるように語った。

試合は三回に先制し、詰め寄られても追加点を重ねて終始先行する展開。救援登板で1失点に抑えたエースの藤本士生投手(3年)の父、謙一さん(49)は「プレッシャーがかかる中でよくやった。甲子園に連れてきてもらえただけでも親として幸せなのに、夢のような気持ち」と愛息の好投をたたえた。

応援部長で2年の橋場まりあさん(16)も、この日の快勝に「気持ちが届いたのかな。みんなが集まれて本当に良かった」と満足そうな表情を浮かべた。

秋季関東大会の地区予選を22日に控える1、2年生の部員は、この日が球場で応援する最後の機会。2年の野口智生さん(16)は、チームの快進撃に「自分たちも予選を頑張りたい」と意気込んだ。

ともに初の3回戦、準々決勝を経て、さらに未知の準決勝に駒を進めた土浦日大。硬式野球部OB会長の村下勇次さん(64)は「歴史が変わっていくのを実感している。活躍は誇らしい限りだ」と胸を張った。

先発した伊藤彩斗投手(3年)の父で、父母会長の久雄さん(52)は「選手も保護者も次の勝利を見ている」。イメージカラーの赤色に染まった応援団は21日、チームの合い言葉「一戦必勝」を胸に、慶応(神奈川)戦に臨む。

■母校でPV メガホン手に一丸

茨城県土浦市小松ケ丘町の土浦日大高では19日、前回の3回戦に引き続きパブリックビューイング(PV)が開かれた。休日にもかかわらず、生徒や保護者ら70人以上が詰めかけ、そろいのメガホンを手に一丸となって声援を送った。

序盤から優勢に試合を進めた土浦日大。三回表、後藤陽人選手(3年)や松田陽斗選手(同)の適時打で3点を先制すると、PV会場には「わー」という大歓声とともに、笑顔が広がった。六回表に鈴木大和選手(同)のスクイズや太刀川幸輝選手(同)の適時三塁打などで一挙5点を奪うと、会場は再び大きな歓声と拍手に包まれた。

観戦した染野花音さん(1年)は「すごくいい試合を見せてもらった。うれしいという言葉しかない。次の試合も頑張ってほしい」と選手たちにエールを送った。

ベスト4進出が決まり、歓声を上げる土浦日大高の生徒ら=土浦市小松ケ丘町

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