【速報】ロシアの月探査機「ルナ25号」で問題発生か

ロシアの国営宇宙企業ロスコスモス(Roscosmos)は日本時間8月20日未明、無人の月探査機「ルナ25号(Luna 25)」で問題が発生したことを明らかにしました。【2023年8月20日7時】

【▲ 打ち上げ準備中に撮影されたロシアの月探査機「ルナ25号」(Credit: Roscosmos)】

ロスコスモスによると、ルナ25号を月面着陸前の軌道へ遷移させるためのエンジン噴射が日本時間2023年8月19日20時10分から飛行計画に従って実施されましたが、この運用中に何らかの緊急事態が発生し、必要な条件に従った軌道や姿勢の制御ができなくなったということです。日本時間2023年8月20日0時27分の発表時点で、状況は分析中とされています。

ルナ25号は旧ソ連時代の1976年に打ち上げられた「ルナ24号」以来となるロシアの月探査機で、日本時間2023年8月11日にボストチヌイ宇宙基地から「ソユーズ2.1b」ロケットで打ち上げられました。探査機には質量分析計やカメラなどが搭載されていて、着陸後は月の土壌(レゴリス)の採取と組成の分析を実施するとされています。着陸は2023年8月21日の予定で、着陸の主目標地点は月の南極域にあるボグスラフスキー・クレーター(Boguslawsky、直径約95km)の北部です。

日本時間2023年8月16日には月周回軌道への投入に成功しており、翌17日にはルナ25号のカメラで撮影された南極域のゼーマン・クレーター(Zeeman、直径約186km)付近の月面の画像も公開されていました。

【▲ ロシアの月探査機「ルナ25号」のカメラで2023年8月17日に撮影されたゼーマン・クレーター付近の月面(Credit: IKI RAN)】

ルナ25号については新しい情報が入り次第お伝えします。

Source

文/sorae編集部

© 株式会社sorae