ダウン症の宇田さん 岡山で個展 23日から緻密なペン画披露

個展で披露するペン画「宇宙」と宇田さん

 ペン画に取り組むダウン症の宇田光志さん(31)=赤磐市=が23~27日、岡山市で個展を開く。会場となるギャラリーさとう(同市中区門田屋敷)のオーナーが、緻密で活力あふれる画風にほれ込み開催を依頼。夏らしく明るい色彩の作品を展示する予定で、宇田さんは「絵を見て元気になって」と来場を呼びかけている。

 「年を取って脚が悪くなり、気落ちしていたときに光志さんの絵に出合って前向きな気持ちになれた」。ギャラリーオーナーの佐藤幸枝さん(88)は、知人を通して宇田さんを知り、自宅兼アトリエを訪れて作品の数々を目の当たりにした。「長年多くの絵に触れてきたが、人に元気を与えるものはめったにない」と話す。

 宇田さんは15歳のとき、ある画家から鉛筆で描いたノートの落書きに才能を見いだされ、絵を描くように勧められた。両親が12色の水性ペンをプレゼントすると毎日打ち込むように。動物、花木、幾何学模様―。対象はさまざまで、下書きはせずペン先を使って点や線で細かく表現する。

 展示会では、初めて描いたペン画の「明石大橋」、弟をテーマにした「宇宙」、緑の背景に赤や黄の花が映える「虹花園紅」など約20点を披露。会期中は在廊し公開制作する。来客が多いほど作品の精度が上がるといい「みんなに来てほしい」と話す。

 無料。午前11時~午後6時(最終日は午後4時まで)。問い合わせはギャラリーさとう(086―272―1431)。

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