11月に茨城県で開催される「全国育樹祭」の機運を高めようと、会場となる潮来、大子の両市町で19日、記念イベントが開かれた。箸作りや丸太切りなど県産材を身近に親しむ多彩な体験や演奏会などが繰り広げられ、訪れた家族連れらが森林や林業の大切さに触れた。
■潮来 吹奏楽演奏、コケ玉作り、大子 家族連れ、丸太切り挑戦
潮来市島須の県水郷県民の森では、2部構成でイベントを開催。冒頭で原浩道市長は「森林は安全で豊かな暮らしを営む上で欠かせない。活力ある森林を作り上げるため、未来につながる新しい林業の姿を発信できるよう努める」とあいさつした。
会場では、市内4中学校が吹奏楽をそれぞれ演奏、4校による合奏も行った。市立日の出中3年の松瀬葵部長(15)は「きょうが中学最後の演奏なので、みんなで合わせられて良かった」と笑顔で話した。
このほか、津軽三味線の鈴木菜瑠美さん、アコースティックユニットの「日々かりめろ」、ハープの宮田悠貴さんらも演奏を披露。コケ玉や箸作りなどの体験会も行われた。
大子町では、町立だいご小を舞台に「けやきの杜フェスティバル」を開催。箸やコースター作りをはじめ、木製ピンを倒すゲーム「モルック」など、木材に親しむ9種類のワークショップを実施した。
また、家族連れらが町内で伐採されたスギやヒノキの丸太切りにも挑戦。同町の小林想汰君(6)は「硬かった。絵を描いてコップ置きに使いたい」と話し、母親の里佳さん(33)も「貴重な体験ができた」と喜んだ。
町農林課の担当者は「林業は町の主産業の一つ。子どもたちに木に親しむ機会になれば」と期待した。
全国育樹祭の茨城県開催は34年ぶり。11月11日は2005年の全国植樹祭で天皇、皇后両陛下(現上皇ご夫妻)が県水郷県民の森に植樹された木を、皇族が手入れされる。大子町では同日、併催行事が行われる。翌12日にはアダストリアみとアリーナ(水戸市)で式典が開かれる。