ヤマハ:クルタラロ「どうやって転倒を免れたかは僕にもわからない」/第10戦オーストリアGPスプリント

 8月19日、2023年MotoGP第10戦オーストリアGPがレッドブル・リンクで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファビオ・クアルタラロは予選9番手、スプリントは15位で終えている。フランコ・モルビデリは予選15番手、スプリントは9位で終えている。

 今大会から、クアルタラロとモルビデリはふたりとも新しいエアロパッケージを採用している。ダイレクトでの予選Q2進出を果たしたクアルタラロは、フロントにハード、リヤにソフトでアタックを開始し、最初のアタックで1分29秒157で2番手につける。後半に再度アタックを行い、自らのタイムを0.123秒短縮することに成功するが、9番手にとどまった。

 スプリントでは、オープニングラップの第1コーナー進入でクアルタラロは左右2台に挟まれる格好となってしまう。そのため、アウト側にいたライダーが巻き込まれる形で転倒を喫し、多重クラッシュが発生。クアルタラロは転倒を免れ、再びレースに加わるも大きく順位を落としてしまっていた。中盤あたりには14番手まで回復させるが、9周目にロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)と接触してしまい、ロングラップペナルティが課される。その結果、ひとつ順位を下げてしまい、15位でチェッカーとなった。

 初日マシンのセッティングに集中していたモルビデリは、予選Q1からのアタックとなり、まずは1分29秒446をマークして3番手につける。しかし、以降はタイムアップを図れず5番手となり、15番グリッドが確定した。スプリントでは序盤から転倒が相次ぐなか、9番手あたりまで順位を上げる。そのあと、前を走るマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)とバトルを繰り広げた末、9位でフィニッシュした。

■ファビオ・クアルタラロ(予選:9番手、スプリントレース:15位)
「第1コーナーで起きたことは、全員がはっきりと見ることができた。だから僕から付け加えることは何もないよ。僕に言えることは、100%を尽くしたということだけだ。ペースはとても良かったと思っているし、いろいろなことがあったなかでも全体的には自分のライディングに満足している。第1コーナーで、どうやって転倒を免れたかは僕にもわからない。ただ幸運だったんだ」

「またサバトーリとのアクシデントについては、アウグスト・フェルナンデスが彼をパスし、僕はブレーキをやや緩めた。僕も限界ぎりぎりで走っていたから、彼にちょっと接触してしまったんだ。オーバーテイクするためにはアグレッシブに攻めるしかなく、その際にはこのようなことも起こり得ると思う。今日の経験を明日につなげたいと思っている。レースは周回数が多くなり、タイヤの消耗もあるので、ペースはやや遅くなるだろう。良いレースと少しの運を期待しているよ」

■フランコ・モルビデリ(予選:15番手、スプリントレース:9位)
「僕たちにとっては、いい展開になったと思っている。第1コーナーのアクシデントによって目の前にフリースペースができて、それが僕にはプレゼントになったというわけだ。その後もペースは悪くなかったから、5番手から7番手の集団に近づいていったんだ。でもそれではまだ不十分で、完全に追い詰めることはできなかった。マルク・マルケスとはいいバトルになり、エンジョイしたよ。今日はマシンの最大限を引き出すことができたと思っている」

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 予選
ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP スプリント
フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP スプリント
フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP スプリント

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