広島土砂災害9年、77人を追悼 「安心して過ごせる町に」

広島土砂災害から9年となり、慰霊碑前に並べられた灯籠を囲んで黙とうする住民ら=20日未明、広島市安佐南区

 77人が死亡した2014年の広島土砂災害から9年となった20日未明、広島市の被災地で遺族や住民らが犠牲者を追悼した。大きな被害の出た安佐南区八木地区では約20人が黙とう。慰霊碑の前に「安心して過ごせる町に」などと書かれた灯籠が並べられた。

 次女の湯浅みなみさん=当時(28)=夫婦を亡くした若松順二さん(60)=香川県東かがわ市=は、妻直美さん(61)と共に献花した。出産を控えていた湯浅さんは、災害直前まで東かがわ市に帰省しており、若松さんは「まさか最後の時間になるとは思わなかった。9年間、会いたい気持ちは変わらない」と静かに語った。

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