横浜流星&窪田正孝、世界戦の撮影ではアドリブのファイトシーンが実現『春に散る』場面写真

©2023映画『春に散る』製作委員会

ノンフィクションの傑作「深夜特急」三部作をはじめ、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎が、半生をかけて追い続けてきたテーマは、ボクシングを通じて“生きる”を問うこと。その集大成ともいえる最高傑作『春に散る』(朝日新聞出版)を、人間ドラマの名手・瀬々敬久監督(『ラーゲリより愛を込めて』)が、佐藤浩市と横浜流星を主演に迎えて映画化。横浜流星がボクシングプロテストに合格したことでも大きな反響を呼んだ本作が、8月25日(金)より公開される。

4日間行われた世界戦の撮影の最後では、窪田正孝とアドリブのファイトシーンも実現した本作より、新たな場面写真が解禁となった。

二人は「一瞬」だけを生きると決めた

本作の主人公は、不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、偶然飲み屋で出会い同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。やがて二人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく。

佐藤浩市が、翔吾を導くことで人生に尊厳を取り戻そうとする仁一、横浜流星が仁一と出会い諦めかけていた夢に再度挑戦する翔吾を演じ、山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎、坂東龍汰、窪田正孝ら豪華キャストが集結した。

「いままで作ったことのないボクシングシーンに」

今回公開された場面写真は、翔吾(横浜流星)がボクシングに真剣に向き合い、戦う姿を切り取ったもの。真剣な眼差しで拳を握る姿、試合前に天を仰ぐ姿からは並並ならぬ覚悟がうかがえる。

空手で世界チャンピオンになった経歴や、『きみの瞳が問いかけている』でのキックボクサー役など、元々の身体能力が高い横浜だったが、近年のボクシング映画の傑作に、必ずこの人ありと讃えられる松浦慎一郎と共に、トレーニングをスタートさせた。横浜と練習を開始した松浦は、横浜から「今まで松浦さんが作ったことのないボクシングシーンにしてください。そして、プロから見てカットでごまかしていると思われないようにしてください」と真剣な眼差しで頼まれたという。

「流星君と窪田君だから挑戦できたこと」

撮影も進んでいく中、4日間にわたって撮影された世界タイトルマッチでは、第11ラウンドは、現場でアドリブに変更された。「流星君に『僕が作ったことのないシーンはこれだ』と持ち掛けると、『やりましょう』と。リスクはあると説明しましたが、窪田君も『流星君なら大丈夫でしょう』と」と松浦は回想する。「僕のすべてを出し切りましたし、やはり流星君と窪田君だから挑戦できたことだと思います。当時は毎日ピリピリしていましたが、終わってみれば幸せな環境でした」と振り返る松浦。

今の時代、未来は予測不可能であることを心に刻まれた私たちに、「今この瞬間を生き切る」ことの真実を見せてくれる、日本映画史上 最も胸を熱くするドラマに期待が高まる。

『春に散る』は8月25日(金)より全国公開

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