ユニークな身振りで会場を盛り上げる「大宮踊」で踊りの輪を広げた/岡山・真庭市

昨年ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された岡山県真庭市蒜山地域で受け継がれる「大宮踊」(国指定重要無形民俗文化財)が15日、蒜山中福田の福田神社で行われ、参加者たちは子孫繁栄や豊作を願う踊りの輪を広げた。

夜になり、浴衣姿の地域住民や帰省客らが拝殿へと集まり、「シリゲ」と呼ばれる切り絵細工を飾った御神燈(ごしんとう)を囲んで踊りを開始。大宮踊保存会のメンバーたちの「ウワハンヨウ」といった独特の言い回しの音頭と太鼓の音に合わせて、小さなこどもからお年寄りまで一緒になって、ゆったりとしたしなやかな動きを繰り返していた。

優雅な「あおい」、歯切れのよいテンポの「しっし」の後、仮装した6人が登場する「てんこ(まねき)」に移り、杵(きね)を手にした編みがさ姿の「手杵(遣い)」を筆頭に鉦(かね)やキュウリなどを持った人たちがユニークな身振りで会場を盛り上げた。

八束小3年の江田輝良君(9)は「文化遺産になった地域の伝統を未来に残せるように、一生懸命踊りを練習していきたい」と話した。

大宮踊は「備中たかはし松山踊り」(高梁市)、「白石踊」(笠岡市)とともに県三大踊りの一つでもあり、お盆を中心に蒜山地区内各所で行われている。19日は午後8時から蒜山下長田の長田神社で実施する。

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