GTワールドチャレンジ・アジア岡山レース2はマエザワ・レーシング初優勝。GT4はBMWが雪辱

 ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSの第5ラウンド/GT4ジャパンは8月19日、岡山国際サーキットでGT3のレース2、GT4ジャパンのレース2が行われ、GT3はピティ・ブロムバクティ/横溝直輝組マエザワ・レーシングの555号車フェラーリ488 GT3が嬉しい初優勝。GT4は前日悔しいレースとなった加納政樹/織戸学組YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディの50号車BMW M4 GT4が優勝を飾った。

 11時20分から行われたレース2では、ポールポジションからスタートしたアレッシオ・ピカリエロ駆るAASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rがスタートを決めトップに。2番手には、横溝直輝駆るマエザワ・レーシングの555号車フェラーリ488 GT3が続く。

 序盤はトップ2が逃げる一方で、3番手につけたマキシミリアン・ゲーツ駆るクラフト・バンブー・レーシングの85号車メルセデス、そしてケイ・コッツォリーノ駆るカーガイ・レーシングの1号車フェラーリ296 GT3の2台によるバトルが展開。さらにミカエル・グレニエがドライブするトリプルエイトJMRの88号車メルセデス、アルバロ・パレンテの72号車ポルシェ、藤井誠暢の47号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3が僅差で続いた。

 プロ同士の息詰まる上位争いは接触等がないまま進み、レーススタートから25〜35分の間のピットウインドウがオープンする。ここで先に動きたのはトップを走っていたAASの911号車ポルシェ、4番手につけていたカーガイの1号車フェラーリ。一方、この1周後にマエザワ・レーシングの555号車フェラーリ、さらにクラフト・バンブーの85号車がピットへ。911号車はサクセスペナルティの10秒ストップもあり、各車がピットインを終えるとマエザワ・レーシングの555号車フェラーリがトップに浮上した。

 ピットを終えると、首位はピティ・ブロムバクティに交代した555号車フェラーリ、2番手にジェフリー・リーの85号車メルセデス、3番手にはH.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒムの88号車メルセデスが浮上。ただ、2コーナーでファントム・プロ・レーシングのアウディがクラッシュしたアクシデントのためにフルコースイエローが導入された後、ブティコン・インタラプワサク駆る911号車が88号車をかわし3番手に上がった。

 レース終盤、トップのブロムバクティの後方では、リー、インタラプワサク、プリンス・アブ・バーカー・イブラヒムの三つ巴の2番手争いのバトルが展開され、ここに木村武史駆る1号車フェラーリ、アンドリュー・ハルヤントがドライブするアウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュートの11号車アウディが接近。5台の戦いとなっていった。

 しかし、残り7分というタイミングのダブルヘアピンで、ハルヤントの11号車アウディが88号車メルセデスに接触。木村の1号車フェラーリを巻き込むかたちで3台がスピンしてしまうことに。これでウェイ・リュウ駆るR&Bレーシングの4号車ポルシェが3番手、星野敏に交代した47号車アストンマーティンが4番手に浮上したが、アストンマーティンは85号車メルセデスとの接触のためドライブスルーペナルティを課されてしまい、ファイナルラップを前にピットインを強いられてしまった。

 後方のバトルを後目に、トップを守りきったブロムバクティはトップチェッカー。マエザワ・レーシングが嬉しいシリーズ初優勝を飾った。2位はAASの911号車ポルシェ、3位はR&Bレーシングの4号車ポルシェという結果に。4位はクラフト・バンブー・レーシングの37号車メルセデスとなった。

 このレースの結果にともない、日本での4レースを戦う日本チーム/ドライバーにかけられるジャパンカップは、13位でフィニッシュした永井宏明/上村優太組18号車ポルシェセンター岡崎が獲得した。

 続いて行われたGT4ジャパンの決勝レースは、フロントロウからスタートした阪口良平駆るアキランド・レーシングの71号車トヨタGRスープラGT4、野中誠太が駆るTGRインドネシアの39号車GRスープラGT4がトップ争いを展開。これに後方から追い上げてきた織戸が駆る50号車BMW M4 GT4が近づく。織戸は前日の悔しさを晴らすかのように2番手につけた阪口とバトルを展開していった。

 各車がピットインした後、トップに浮上したのは加納に交代した50号車BMW。そのまま逃げ切り、前日の悔しさを晴らすとともに、加納/織戸組がGT4のジャパンカップチャンピオンを決めてみせた。2位はハリダルマ・マノッポ/野中組TGRインドネシアの39号車GRスープラGT4、3位には追い上げをみせたDステーション・レーシングの星野辰也/浜健二組48号車アストンマーティン・バンテージAMR GT4が入り、AMクラス優勝を飾った。

2023 GTワールドチャレンジ・アジア第5ラウンド岡山 優勝を喜ぶマエザワ・レーシングの横溝直輝、ブロムバクティ、前澤友作総監督
2023 GTワールドチャレンジ・アジア第5ラウンド岡山 ジャパンカップ王座を獲得した永井宏明/上村優太
2023 GTワールドチャレンジ・アジア第5ラウンド岡山 GT4ジャパンのスタートシーン
2023 GTワールドチャレンジ・アジア第5ラウンド岡山 GT4表彰台
2023 GTワールドチャレンジ・アジア第5ラウンド岡山 GT4 AM表彰台

ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS第5ラウンド岡山

GT3レース2 結果

Pos. No. Class Team Car Driver Laps Gap

1 555 GT3 Pro-Am マエザワ・レーシング フェラーリ488 GT3 P.ブロムバクディ/横溝直輝 37

2 911 GT3 Pro-Am AASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) V.インタラプワサク/A.ピカリエロ 37 2.526

3 4 GT3 Pro-Am R&Bレーシング ポルシェ911 GT3 R(992) L.ウェイ/P.ピレ 37 7.108

4 37 GT3 Pro-Am クラフト・バンブー・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO A.シュウ/D.ジュンカデラ 37 25.298

5 992 GT3 Pro-Am アブソリュート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) B.ジンロン/M.カイローリ 37 27.425

6 22 GT3 Pro-Am KCMG ホンダNSX GT3 EVO P.イップ/E.リベラティ 37 28.579

7 72 GT3 Pro-Am ハブオート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) M.チェン/A.パレンテ 37 29.993

8 5 GT3 Pro-Am プラス・ウィズ・BMW Mチーム・スタディ BMW M4 GT3 山口智英/荒聖治 37 32.101

9 2 GT3 Pro-Am クライマックス・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO Z.ビーファン/D.リンド 37 34.466

10 85 GT3 Pro-Am クラフト・バンブー・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO J.リー/M.ゲーツ 37 40.056

11 500 GT3 Pro-Am チーム・5ZIGEN ニッサンGT-RニスモGT3 HIROBON/川端伸太朗 37 45.245

12 888 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 EVO H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/R.スタナウェイ 37 46.636

13 18 GT3 Pro-Am ポルシェセンター岡崎 ポルシェ911 GT3 R(992) 永井宏明/上村優太 37 48.652

14 47 GT3 Pro-Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR GT3 星野敏/藤井誠暢 37 50.071

15 61 GT3 Pro-Am EBM ポルシェ911 GT3 R(992) A.ヘンリー・ダ・シルバ/E.バンバー 37 1’01.681

16 1 GT3 Pro-Am カーガイ・レーシング フェラーリ296 GT3 木村武史/K.コッツォリーノ 37 1’01.861

17 14 GT3 Pro-Am ハブオート・レーシング・ウィズ・GTO ポルシェ911 GT3 R(992) B.リー/安岡秀徒 37 1’02.235

18 29 GT3 Silver ファントム・プロ・レーシング アウディR8 LMS GT3 EVO II L.カン/C.チー 37 1’03.519

19 11 GT3 Pro-Am アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート アウディR8 LMS GT3 EVO II A.ハルヤント/J.ユー・クワイ 37 1’05.670

20 25 GT3 Pro-Am NKレーシング ポルシェ911 GT3 R(992) 内山清士/近藤翼 37 1’07.421

21 19 GT3 Am ザ・スピリット・オブ・FFFレーシング ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO 大蔵峰樹/濱口弘 37 1’07.625

22 3 GT3 Am クライマックス・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO H.ユーチー/B.ハオ 37 1’24.553

23 96 GT3 Pro-Am K-チューンズ・レーシング レクサスRC F GT3 末長一範/新田守男 37 1Lap

24 7 GT3 Am コメット・レーシング フェラーリ488 GT3 山﨑裕介/辻子依旦 36 1Lap

25 51 GT3 Am AMACモータースポーツ ポルシェ911 GT3 R(991.1) A.マクファーソン/W.ベン・ポーター 36 1Lap

26 13 GT3 Pro-Am アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート アウディR8 LMS GT3 EVO II S.ジンズー/F.チェン・クンフー 36 1Lap

27 360 GT3 Am ランアップ・スポーツ ニッサンGT-RニスモGT3 西川正明/田中篤 36 1Lap

28 60 GT3 Pro-Am LMコルサ フェラーリ488 GT3 中西慧/脇阪薫一 36 1Lap

29 88 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 EVO H.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/M.グレニエ 31 6Laps

R 333 GT3 Pro-Am ファントム・プロ・レーシング アウディR8 LMS GT3 EVO II X.アン/M.マック 22 15Laps

天候:晴れ 路面:ドライ

GT4ジャパン岡山

レース2 結果

Pos. No. Class Team Car Driver Laps Gap

1 50 GT4 Silver-Am YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディ BMW M4 GT4 G82 加納政樹/織戸学 36

2 39 GT4 Silver-Am トヨタ・ガズー・レーシング・インドネシア トヨタGRスープラGT4 H.マノッポ/野中誠太 36 43.941

3 48 GT4 Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR GT4 星野辰也/浜健二 36 51.136

4 71 GT4 Silver-Am アキランド・レーシング トヨタGRスープラGT4 大山正芳/阪口良平 36 52.09

5 718 GT4 Am チェックショップ・ケイマニア・レーシング ポルシェ・ケイマン718 GT4 RSクラブスポーツ 大塚直彦/小林翔 35 1Lap

6 83 GT4 Silver-Am コメット・レーシング メルセデスAMG GT4 大串理紗/大木一輝 35 1Lap

7 27 GT4 Silver-Am クレフ・モータースポーツ マクラーレン・アルトゥーラGT4 鈴木裕子/井上雅貴 16 20Laps

天候:晴れ 路面:ドライ

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