サッカーにおける移籍マーケットはカオスなものであり、公式発表が行われるまで何が起こるかわからない。
ときには口頭において合意に達していたにもかかわらず、そのあとに物事が変わってしまうことも。今回は『Planet Football』から「移籍決定直前で突然別のクラブへ加入した」選手たちを特集する。
ミハイロ・ムドリク
加入すると言われていたクラブ:アーセナル
加入したクラブ:チェルシー
2023年1月の移籍市場においてアーセナル入りが有力だと言われていたミハイロ・ムドリク。伝えられるところによれば、シャフタール・ドネツクとの交渉のなかで3回もの入札を行ったという。そしてムドリク自身もアーセナルに加入したいと決めていた。
しかしそこでチェルシーが登場。トッド・ボーリー会長はアーセナルよりも良い条件を提示した。シャフタール・ドネツクのCEOが『The Athletic』に明かしたところによれば、決め手となったのは移籍金の支払い時期とボーナスの条件であったとのこと。
タイレル・マラシア
加入すると言われていたクラブ:リヨン
加入したクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
2022年夏、フェイエノールトはリヨンとの間でタイレル・マラシアの移籍に関する交渉を行った。そして1300万ユーロ(およそ20.7億円)+追加ボーナス200万ユーロ(およそ3.2億円)という条件で合意を取り付け、マラシア自身も5年契約に同意。ファブリツィオ・ロマーノもそれを発表していた。
しかしそれからマンチェスター・ユナイテッドがやってきた。そして1500万ユーロ(およそ23.8億円)+300万ユーロ(およそ4.8億円)のボーナスという条件を提示し、マラシアの取引を引っ張ることに成功している。
マウコン
加入すると言われていたクラブ:ローマ
加入したクラブ:バルセロナ
2018年夏に起こったビックリハイジャックであった。ボルドーで活躍していたブラジル代表FWマウコンは、ASローマへの移籍に合意してイタリアへと向かった。ローマのティフォージたちも彼を待つために空港を訪れた。
ところがその途中、バルセロナがボルドーに対して大きな条件を提示し、ローマとの口頭合意を取り消すように要求。そしてマウコンは行き先をイタリアからスペインに変更した。
ジョン・オビ・ミケル
加入すると言われていたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
加入したクラブ:チェルシー
2005年の記者会見でマンチェスター・ユナイテッドに加入したと発表されたジョン・オビ・ミケル。ところが、そこでチェルシーが待ったをかけた。ミケルの代理人と合意しているのはこっちであると訴え、争う姿勢を示した。
両クラブの間で行われた法廷闘争は1年に及び、最終的にはマンチェスター・ユナイテッドが契約解除に合意。チェルシーが1200万ポンド(およそ17.5億円)で彼を買い取ることになった。
ウィリアン
加入すると言われていたクラブ:トッテナム・ホットスパー
加入したクラブ:チェルシー
2013年にロシアのアンジ・マハチカラを退団したウィリアン。その移籍先はトッテナム・ホットスパーが有力だとされ、練習場を訪れてメディカルチェックを受けた。
しかしながら、彼がまだトッテナムの練習場にいたときにチェルシーが手を出した。ロマン・アブラモヴィッチ会長がロシアの人脈を利用して大きな額を提示した。ウィリアンはトッテナムに8時間滞在したが、それから踵を返してチェルシーへと向かっていった。
ロビーニョ
加入すると言われていたクラブ:チェルシー
加入したクラブ:マンチェスター・シティ
ロナウジーニョの再来と称賛される若手だったロビーニョは、2008年に欧州へと移籍することになった。そのとき真っ先に動きを見せたのはチェルシーで、彼の名前が入ったレプリカユニフォームを販売し始めた。
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しかしながら移籍期間の最終日、マンチェスター・シティが移籍金3250万ポンドを提示。ロビーニョは何が起こったかわからず、どこのクラブと契約したかも知らなかったという。