大震災で傷ついた心を勇気づけたプロレス「子どもたちにも何か得てほしい」 みちのくプロレス・のはし選手、ふるさと神戸で節目の凱旋興行

10回目となる地元神戸での興行に向け、トレーニングに励むのはしたろう選手=神戸市中央区小野浜町

 神戸市垂水区出身で、東北を中心に活動するプロレス団体「みちのくプロレス」の、のはしたろう選手(41)=本名・野橋太郎=が27日、神戸で凱旋(がいせん)興行を開く。児童養護施設で暮らす子どもたちを無料で招待し続け、今回で節目の10回目。自身が小学生の頃、阪神・淡路大震災で傷ついた心を勇気づけられたプロレスから、「何かを得てほしい」との思いを込める。(初鹿野俊)

 伊川谷北高校(同市西区)を卒業後、2002年5月にメキシコでデビュー。04年に岩手県を本拠地とするみちのくプロレスに入った。身長159センチで、自称「元祖日本最小レスラー」。大柄な選手にもひるまず立ち向かう姿が人気を集め、プロ生活は21年を重ねている。

 13年からほぼ毎年行う凱旋興行では、さまざまな事情を抱えた小中学生らを約50人招待。同市長田区前原町1の児童養護施設「長田こどもホーム」の子どもらからは、手作りのチャンピオンベルトを贈られるなど交流が続く。

 阪神・淡路大震災の時、アントニオ猪木さん、獣神サンダー・ライガーさんらの勇ましい映像を見て前向きな気持ちになれた経験から「つらいことも諦めなければ乗り越えられると知ってほしい」とのはし選手。興行へ向け、トレーニングに打ち込んでいる。

 凱旋興行「みちのくプロレス旗揚げ30周年記念神戸大会」は神戸サンボーホール(同市中央区浜辺通5)で、午後1時から。兵庫県三木市出身のヤッペーマン2号選手らも出場する。チケットは「のはしたろう公式オンラインショップ」で販売。

 みちのくプロレスTEL019.687.2431

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