東南アジア3カ国、成長率縮小 外需停滞や物価高が逆風

東南アジア主要6カ国の2023年4~6月期のGDP成長率

 【シンガポール共同】東南アジア主要6カ国の2023年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の成長率が21日、出そろった。各国ともプラス成長を確保したが、中国など域外経済の停滞や物価高が響き、3カ国が前期(今年1~3月期)に比べ伸び幅が縮小。製造業の存在感が大きく輸出への依存度が高い国々で逆風が強まった。

 自動車産業が集中するタイは外需の落ち込みで製造業が不振となり、前年同期比1.8%増と低い伸びにとどまった。電子・電機部品が強いマレーシアは前年同期比2.9%増だった。両国とも前期に比べ伸び幅が縮小、マレーシア中央銀行総裁は「マレーシア経済の下降リスクは、予想よりも弱いグローバル経済だ」と指摘した。

 フィリピンは4.3%増だったが、3四半期連続で伸び幅が縮んだ。資源を輸入に依存するフィリピンでは物価高の影響が大きく、個人消費が伸び悩んだほか、政府支出が落ち込んだ。

 0.5%増だったシンガポールは前期に比べ伸び幅が微増したものの、製造業が7.3%縮小した。

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