予算要求110兆円超 24年度、防衛・国債費膨張

霞が関の官庁街(手前)。左奥は国会議事堂=東京都千代田区

 国の2024年度一般会計の予算編成で、各省庁が財務省に提出する概算要求の総額が110兆円を超える見通しとなったことが21日、分かった。岸田政権が力を入れる防衛力強化のために防衛費が最大となるほか、借金に当たる国債の利払いと返済の費用を合わせた国債費や、高齢化に伴って社会保障費も膨らむ。国債の利払い費を計算する際に使う想定金利は、過去最低だった23年度の1.1%から1.5%に引き上げる方針だ。

 財務省が31日に締め切る概算要求の総額は、23年度の110兆484億円や、過去最大だった22年度の111兆6559億円を上回る可能性がある。例外的に金額を示さなくてよい「事項要求」とした物価高や少子化の対策費が後から上積みされるため、年末に決まる予算案の総額は過去最大だった23年度の114兆3812億円を超える可能性もある。税収不足を国債発行で穴埋めする構図は変わらず、財政悪化が進みそうだ。

 防衛省は要求額を7兆円台とする。

予算要求総額と当初予算額の推移
財務省の想定金利と国債費の推移

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