【手紙舎 本店】(つつじヶ丘)本と雑貨と手づくりの温もりに包まれて。誰もがほっと癒される、大人の「プリンアラモード」とは?

高杯のお皿に、カスタードプリンにフルーツ、生クリーム。シンプルな材料ながらも彩り華やかな「プリンアラモード」は喫茶店の定番メニューであり、大人から子どもまで大好きな昔懐かしいおやつ。

そんなプリンアラモードを食べるならと、スイーツ好きの間で密かに話題になっているお店「手紙舎」。雑貨や絵本、雑誌などを手がける編集チーム「手紙社」が手掛ける絵本のような世界に包まれて、スイーツを食べる時間はまさに癒しのひととき。スイーツ好きがわざわざ足を運ぶほどの、‟とっておき”のプリンアラモードと、そしてお店の中をご紹介していきます。

まるで小学校の中の小さな図書館。時間がゆっくりと流れる、本と雑貨に囲まれた空間

つつじヶ丘駅より徒歩10分。団地の奥を歩き進めると見えてくる、小学校の校舎のような佇まいのお店が「手紙舎」です。もともとお店があった物件を、使われなくなった小学校の備品を用いてリノベーションしているのだそう。テラス席部分は図工椅子と机、バックヤードには本棚や靴箱と、懐かしいアイテムを見つけた瞬間は、思わずほっこり。

この神代団地は昭和40年代に建てられたもので、すぐそばには公園や幼稚園が。緑に囲まれたスローライフな気分が味わえ、お店に辿り着くまでの道で、既に心がぽかぽかしてきます。

店内には壁一面の造作本棚があり、本や作家さんの器、ポストカードなど、様々な雑貨が置かれています。本のラインアップは、可愛らしい動物の絵本をはじめ、ライフスタイル系の実用書や食のエッセイ、ガーデニング雑誌など、日々の生活を彩るようなものが中心。

幼稚園帰りにルンルンと歩く子どもや、公園で休憩をしているママたちなど、大きな窓から見える風景はなんとも和やか。ゆるやかに時間が流れます。

編集チーム「手紙社」が手掛けているお店であることから、オリジナルの雑誌や本も販売されています。置いている古書や雑貨は、いずれも社長・北島さんのセレクト。自身も編集者であることから、北島さんは手作りのものや作家さんへのリスペクトが強く、お店で使っている器や飾られている絵も、繋がりがあったり、敬愛している作家さんのものなのだとか。

シンプルな材料で手間ひまかけて作る、ちょっぴり大人な味のスイーツ「桃とメロンのプリンアラモード」。

桃とメロンのプリンアラモード/1,133円 ※イートイン限定

季節ごとに内容が変わるという、手紙舎のプリンアラモード。今回ご紹介する今年の夏メニューは、「桃とメロンのプリンアラモード」です。

高杯に所せましと盛られたフルーツとプリンたちはまさに満員御礼。大きさは大人の両手のひら分ほどのキュートなサイズで、小さな子どもたちは「お城みたい!」と喜んでくれるのだそう。

内容は、カスタードプリンを中心に、メロン、桃のコンポート、りんご、オレンジ、自家製の紅茶アイス、サクサクのパイ。少し塩味が効いたパイは、濃厚な紅茶アイスをつけて食べるのがたまりません。

プリンもアイスもパイも、基本的にはお店の中で作った手作りのもの。プリンは青森県産の黄身が濃厚な卵を使い、ミルクと砂糖を加えただけのシンプルなレシピなのだそう。弾力があり固めで、卵の味がしっかり感じられる昔ながらのプリンの味わいにほっこりします。

プリンアラモードをはじめ、スイーツのメニューを考えているのは店長の濱野さん。朗らかで明るく、おもてなし上手な濱野さんの人柄も、手紙舎の雰囲気を彩っています。

「私自身、甘すぎるスイーツが苦手なので、プリンも生クリームも砂糖は控えめ。カラメルも、ちょっぴり苦めの大人な味に仕上げています。
プリンアラモードの内容は、使いたい季節のフルーツを中心に、どんな組み合わせが美味しいかなあと、考えながら決めて作っています。お客さんのところに持って行ったときに『かわいい!』『おいしそう!』と幸せな声が上がるとうれしくて、内心ガッツポーズしています(笑)」

思わず連れて帰りたくなる。ほっこりかわいい焼き菓子も

スイーツはプリンアラモードだけでなく、焼き菓子も個性豊かに取り揃えています。焼き菓子は、イートインもテイクアウトもどちらも可能。作家・寺村光輔さんの手作りの器にのせて、いただきます。

「クランベリーとホワイトチョコのブラウニー」は、ホワイトチョコを使った生地に、スライスナッツ、クランベリーが入っているザクザク系のブラウニー。ホイップクリームと自家製ジャム(日替わり)をつけていただきます。

見た目よりもどっしりと食べ応えがあり、ザクザク、ぷちぷちと、どんどん変わっていく食感が楽しく絶品でした。

「ラズベリーと紅茶のケーキ」は、ラズベリージャムを使ったマフィン系の生地に、ラズベリーのアイシングをたっぷり。キュートなクグロフ(※)の形とラズベリーの鮮やかさに思わずきゅんとして、テイクアウトしたくなってしまいます。
※フランス・アルザス地方の伝統菓子

甘酸っぱい生地は食べやすく、あとひく美味しさで、珈琲との相性が抜群でした。

また、季節のシロップドリンクも一押しで、今年の夏のメニューは「フレッシュメロンクリームソーダ」。メロンとグレープフルーツでつくった自家製シロップドリンクに、バニラいアイスをオン。お味はフルーティな香りと自然な甘さがじんわりと広がる、素朴でシンプルな味わい。ひんやりと冷たいけれど気持ちはほっとする、幸せなアイスドリンクでした。

今回はアイスドリンクのご紹介でしたが、オリジナルブレンドのハンドドリップ珈琲も人気です。

取材時は昼下がりでしたが、夕方に近づくにつれ、刻一刻と表情が変わっていった店内。なんとも居心地が良く、美味しい手づくりスイーツとドリンク片手に、窓の風景を眺めながらいつまでも黄昏ていたいお店でした。

手作りの優しさにあふれた、手紙舎のかわいいプリンアラモードを食べに。ぜひつつじヶ丘へ遊びに行ってみてください。

About Shop
手紙舎 本店
東京都調布市西つつじヶ丘4-23-35 都市再生機構神代団地35号棟 101
営業時間:11:00~17:00 (16:30 L.O.)
定休日:月曜、火曜(祝日の場合は振替休業あり)

Photo/Cream Taro Writing/Nanako Maeda

© 株式会社風讃社