南但ごみ処理施設から潤滑油382リットルが漏えい 6月 円山川に一部流出、水稲へも影響か

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 兵庫県の養父市と朝来市のごみを処理する南但ごみ処理施設(同市和田山町高田、愛称南但クリーンセンター)で潤滑油の流出事故があり、施設を運営する南但広域行政事務組合が原因を調査している。油は円山川にも流れ出したことから、同組合の議会も「南但広域ごみ処理計画特別委員会」で、組合職員から事故の経過や、これまでに分かった原因などの中間報告を受けた。

 施設の維持管理は、タクマテクノス(東京都)が請け負う。同組合によると、流出は6月11日に発生。午前2時半ごろ、装置の異常を告げる複数の警報が鳴った。バイオマス設備の潤滑油(作動油)が漏れていたが、それに気付かず、同社社員が油を3回にわたって計240リットルを補給した。その後、同4時半ごろ、油圧ホースの破損などを確認、関連装置を止めた。

 油は推定で382リットルが漏えい。うち115リットルが防液堤を超え、雨水とともに敷地内の側溝などを通して円山川に流出したという。川面にオイルフェンスを設置するなどして、周囲の河川などに油膜は見られなくなっているという。同組合は地元住民向けの説明会を開いたほか、水稲などへの影響を調査している。

 議会の特別委では、施設外への流出が分かるまで発生から6時間以上かかったことや、油圧ホースの破損を見つける前に補給を繰り返した点などに質問や意見が相次いだ。同組合は特別委の指摘を踏まえて調査を進め、できるだけ早期に最終的な報告をまとめる予定という。(小日向務)

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