水泳・飛び込みのレジェンド、寺内健が9月の日本選手権で現役引退へ 夏の五輪6大会出場、30年の競技人生に幕

体験教室で子どもたちに飛び込みを教える寺内健=8月11日、大阪市のAsue大阪プール

 水泳の飛び込み男子で、夏季五輪日本勢最多タイの6大会に出場し、2001年世界選手権で銅メダルを獲得した兵庫県宝塚市出身の寺内健(43)が21日、所属先のミキハウスを通じて現役引退を発表した。9月に宇都宮市で開かれる日本選手権が現役最後の大会となり、長年飛び込み界を引っ張ってきたレジェンドが競技生活に終止符を打つ。

 寺内は宝塚市立西山小5年時に競泳から飛び込みに転向。JSS宝塚で本場中国出身の馬淵崇英コーチから指導を受け、1996年に15歳でアトランタ五輪に初出場し、2008年の北京大会まで4大会連続で五輪の舞台に立ち続けた。

 09年に一度引退し、スポーツ用品メーカーに勤めたが、11年に現役復帰。16年リオデジャネイロ大会に続き、40歳で挑んだ21年の東京五輪では、坂井丞(ミキハウス)と組んだ男子シンクロ板飛び込みで5位に入賞した。個人種目は00年シドニー大会の高飛び込み5位が最高。

 昨年末に左脚の半月板を負傷し、当面の目標としていた今年7月の世界選手権は代表から漏れていた。

 9月の日本選手権では坂井と組む男子シンクロ板飛び込みに出場予定。寺内は所属先を通じ「全ての方に感謝の思いとこれまでの競技人生の締めくくりとして、最後は自分らしく全力で飛び切りたい」とコメントした。(山本 晃)

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