国体九州ブロック アーチェリー成年女子 格の違いを見せつけ優勝、狙うは日本一 【大分県】

国体九州ブロックのアーチェリーで成年女子の大分県代表が格の違いを見せつけた。園田稚(早稲田大3年)が全体トップの665点を記録し、朝久野奈波(近畿大3年)が645点、加藤綾乃(ダイプロ)が643点と個人得点トップ3を独占、団体合計も2位福岡に171点差をつけ1953点で優勝した。

パリ五輪を目指す園田に、日本代表としてアジア大会など国際大会経験のある加藤、そして、伸び盛りの朝久野が加わった県代表は、個々のレベルが突出していた。藤原里美監督は「安心して試合を見ていた。それぞれが力を出した結果」と「完全優勝」に驚きはなかった。所属先が異なる3人は、大会前日に招集され、試合への調整をした。年長者の加藤がまとめ、同じ歳の2人が慕う。「個人競技とはいえ団体で動く。それぞれが協調性を持って、パフォーマンスを発揮できる雰囲気づくりをしてくれた」と加藤。

個人トップを記録した園田稚

成年として初めて国体九州ブロックに出場する朝久野は、「チームのレベルが高いので緊張したが、体が硬くならないように押し手を意識して思い切り射った」と力強かった。大学入学を機に取り入れた筋力トレーニングの成果を発揮した。園田の所作は自信にあふれている。射つ間隔が速いのは「余計なことを考えないようにするため」と本人は話すが、迷いがなく正確に的を射抜いた。反して加藤はスローペースで最後までじっくりと狙いを定め矢を放つ。タイプも性格も異なる3人だが、それぞれが自分のスタイルを貫き、試合に集中した。

昨年の栃木国体は3位となったが、今年は優勝を狙える位置にいる。園田は「地元の大分を背負う限り負けられない。九州ブロックは通過点、日本一を目指す」と話し、朝久野は「優勝しか考えていない。緊張せずに射つことができたら結果はついてくると思う」と意気込みを語った。大会後は所属先で練習し、これまでと同じように大会前に集合することになるが、加藤は「それぞれ自分に求められていることが分かっているし、国体に向けてコントロールできるメンバーなので問題ない」と口ぶりにも自信が漂っていた。

国体では日本一を目指す

(柚野真也)

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