茨城・潮来の小学校でいじめ 市教委公表 転落事故「間接的に影響」

潮来市役所=同市辻

茨城県潮来市教委は21日、2021年に市内小学校で女子児童=当時(10)=の転落事故があり、原因に「いじめが間接的な影響を及ぼした」とする調査報告書を公表した。22年1月に「重大事態」として第三者委を設置していた。これまで児童や保護者らの意向で非公表としていた。女子児童は既に卒業したという。

市教委などによると、女子児童は同クラスの男子児童2人から、授業の発表中に「聞こえない」と言われたり、遅刻時に「なぜ遅れたんだ」「サボり、サボり」と言われたりするいじめを受けた。女子児童は遅刻しがちになり、トイレの個室に隠れるようになった。

女子児童は21年11月、3階女子トイレ個室の窓枠に腰かけていたが、4時間目終了のチャイムが鳴ったことで気が動転し、バランスを崩して屋外に転落。腰の骨を折るなど全治約2カ月の重傷を負った。

女子児童への聞き取りから、市教委は22年1月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として、第三者委を設置。女子児童へのいじめの有無、転落といじめの因果関係などを調査した。

第三者委は報告書で、男子児童の言動をいじめと認定した上で、女子児童の転落について「いじめを恐れて気が動転して転落した。いじめが間接的に影響を及ぼした」と結論付けた。

市教委の横田直樹教育長は「調査結果および被害者側の意見を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に取り組む」とコメントした。

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